研究課題/領域番号 |
09480136
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 国学院大学栃木短期大学 (2000-2001) 国際基督教大学 (1997-1999) |
研究代表者 |
谷口 弘一 國學院大學栃木短期大学, 初等教育学科, 教授 (60002771)
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研究分担者 |
勝見 允行 国際基督教大学, 名誉教授 (10052242)
佐野 浩 奈良先端化学技術大学院大学, 教授 (20178809)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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キーワード | アツモリソウ / カラフトアツモリソウ / 種子培養 / DNA解析 / レブンアツモリソウ / 礼文島 |
研究概要 |
レブンアツモリソウ(Cypripedium macranthos var rebunense)の人工授粉を毎年約100花行なった。受粉率は90%であった。形成された朔の内10個を未熟種子培養に用い、残りは自然発芽にまかせた。未熟種子は国際基督教大学と奈良先端科学技術大学院大学とで培養し、幼苗が得られた。これらの一部について2000年に順化を試みたが、成功しなかった。実験室内では現在成育中である。2001年には一部を低温処理後戸外に移植した。2002年の春には新芽の出ることが期待される。礼文島の保護生育地である70mm^2の区域内で、自然播種によって繁殖したレブンアツモリソウの中で開花した個体数の増加は18%に達した。株の下及び周辺に人為的に播種した種子からの芽生えは現在の所観察されていない。芽生えの形成は一般に成体株の下に見られる。自然環境下での種子発芽には播種の時期と水分供給が大きく影響するようである。完熟直前の種子が発芽能力が大きいと考えられる。北半球に生育する10種のCypripediumについて系統的関係を調べるために、葉緑体DNAを用いて塩基配列の比較解析を行なった。その結果、礼文島と北海道の北見地方で見つかったC.calceolusは西ヨーロッパ及び中国のものとは明確に異なることが明かとなった。礼文島のC.calceolusは一部で主張されているような外来のものとは全く考えられない。むしろ絶滅危惧種として扱うべきだろう。
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