研究課題/領域番号 |
09480140
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
田中 康之 東京農工大学, 工学部, 教授 (80015114)
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研究分担者 |
古山 種俊 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (20089808)
河原 成元 東京農工大学, 工学部, 助手 (00242248)
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キーワード | 天然ゴム / 生合成 / ラジオトレーサー / 酵素活性 / 生合成停止反応機構 / 天然ゴムラテックス |
研究概要 |
1 天然ゴムのボトム画分によるin vitroに近いゴム合成と精製ゴムの構造解析 天然ゴムラテックスから超遠心分離によってボトム画分を分取した。低温に保持して酵素系を活性化後、^<14>C-IDPと開始基質(FDP、GGDP)を添加あるいは無添加でインキュベートし、精製したゴムの^<14>C取り込み量、収率、両末端基の構造解析を行った。ボトム画分はIDPあるいはFDPの添加によって新しいゴムを大量に合成することを明らかにした。得られたin VitrOゴムの構造解析及びトレーサー法を用いた構造化学的手法による解析から、ゴムの生合成機構の開始基質が一般のイソプレノイド系とは異なることと、特異な重合停止反応が起こること及び分子量を支配する因子が存在することを明らかにした。 2 天然ゴムラテックスの粒径と酵素活性及び停止反応機構の解析 天然ゴムラテックスを粒径により分別し、各画分を^<14>C-IDP、^<14>C-IDP+FDP、^<14>C-IDP+GGDPの存在下でインキュベートした。生成したゴムの分子量分布をUVと^<14>Cで検出し、新規に合成された分子鎖と既存在の分子鎖を区別した。FDPまたはGGDPを添加した系と^<14>C-IDPのみの系の^<14>C取り込み量の比較から鎖長延長のみと新たに開始による分子鎖の量比を求めた。これらの結果から鎖長延長反応及び停止粒径の関係を求めた。一方、分子量で分別した各粒径のゴムについて末端に結合した長鎖脂肪酸の量と分岐度をエステル交換反応、NMR、GPC及び粘度測定から求めた。微粒子ゴムは停止末端に重合活性があるリン酸基を持ち、一方、大粒径のゴムはリン脂質の結合した停止末端をもつことを明らかにした。
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