研究課題/領域番号 |
09480147
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研究機関 | (社)北里研究所 |
研究代表者 |
供田 洋 社団法人北里研究所, 生物機能研究所, 副所長 (70164043)
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研究分担者 |
高橋 洋子 社団法人北里研究所, 生物機能研究所, 室長 (80197186)
田畠 典子 社団法人北里研究所, 生物機能研究所, 研究員 (60260080)
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キーワード | CETP / エラブレノール / 阻害剤 / コレステリルエステル転送蛋白質 / 糸状菌代謝産物 |
研究概要 |
土壌分離糸状菌Penicillium sp.FO-5637株の培養液よりエラブレノールと命名した2成分とスクレロデロライドをコレステリルエステル転送蛋白質(CETP)阻害剤として見い出した。CETPを添加して反応を開始した場合、エラブレノールA、B及びスクレロデロライドの阻害活性(IC_<50>)は、それぞれ17、33、28μg/mlであった。また阻害剤とCETPを予めインキュベーションし反応液で阻害剤を30倍に希釈して転送活性を測定した場合では、先に求めたIC_<50>値はプレインキュベーション時の濃度から求めた値とよく対応していた。このことから、これら阻害剤は不可逆的に作用していることが示唆された。さらにこの阻害機構を解析するために〔^<14>C〕酢酸ナトリウムを生産菌培養中に添加し、生合成的に〔^<14>C〕エラブレノールを調整した。 また、糸状菌FO-6651株の培養液(800ml)より溶媒抽出、ODSカラムクロマトグラフィー、HPLCにより4成分のFO-6651-A(2.75mg)、-B(4.34mg)、-C(133mg)、-D(14.1mg)をそれぞれ白色粉末として単離した。各種機器分析を行った結果、エラスターゼ阻害剤として報告されていたL681,512化合物類と同定した。本化合物群はステロール骨格の3位に硫酸基が付加した共通骨格を有している。FO-6651物質のin vitroでのCETP阻害活性(IC_<50>)はそれぞれ75μM、74μM、25μM、22μMと測定され、2位水酸基に長鎖アシル基を持たない遊離水酸基の成分の方が強い阻害を示した。
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