研究課題/領域番号 |
09480150
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 維昭 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (90027334)
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研究分担者 |
森 博幸 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (10243271)
秋山 芳展 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (10192460)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 蛋白質膜透過 / SecY / SecA / 膜蛋白質 / 膜蛋白質 / 蛋白質相互作用 |
研究概要 |
蛋白質の膜透過過程を補助する大腸菌の細胞質膜におけるSecY-SecE-SecG複合体において、SecE,SecGはそれぞれSecYと独立に結合していることを見いだした。また、SecYの残基240がSecEとの相互作用に重要であることを明らかにした。SecYと相互作用する因子SydやsecEとの相互作用が損なわれたSecY変異体を用いて、膜透過チャネルのSecA結合能を操作することに成功した。SecAは膜透過を駆動するATPaseであり、前駆体蛋白質を伴ってATP存在下で膜内に深く挿入しATP加水分解によって戻るというダイナミックな動きによって蛋白質を膜内に送り込む。このSecAの膜挿入を損なわせるSecY変異(SecY205)を同定し、それがおそらく膜透過チャネルの形状を変化させ、前駆体を伴うSecAの挿入を許さないものであることを示した。この欠損に打ち勝つサプレッサーSecA変異体を単離し、機能変化をin vitroで解析した。これらの結果から、SecYとSecAが特異的に相互作用すること、SecAの膜への挿入が実際に膜透過の駆動に重要であることを明らかにした。また、SacAの高・低親和性の2カ所のATP結合部位のWalkerモチーフA周辺がSecYとの特異的相互作用に、低親和性ATP結合部位周辺がSecAの機能制御に重要であることを見出した。さらに、SecG欠失変異を抑制するSecA変異を見出し、SecGの役割はSecAを助け、ATPを効率よく利用して蛋白質の動きを駆動することにあることを明らかにした。SecAはSecYとそ相互作用で活性化されること、そのためのSecY機能には第5細胞質領域が重要であることを明らかにし、この領域における特に重要な残基を系統的な変異解析によって同定した。
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