研究課題/領域番号 |
09480153
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
高橋 健治 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (70011533)
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研究分担者 |
西井 亘 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (30287461)
小島 正樹 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (90277252)
井上 英史 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (20184765)
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キーワード | 脳・腸管系プロテアーゼ / エンテロペプチダーゼ / カテプシンE遺伝子 / コロプシン |
研究概要 |
1. 腸管系の消化系プロテアーゼ前駆体の唯一の活性化酵素であるエンテロペプチダーゼをブタ小腸粘膜より、ベンズアミジン・セファロース等を用いて精製する方法を確立し、純化酵素(精製度2,200倍、収率12%)を得た。レクチン結合分析から、トリおよびテトラアンテナ複合体型の糖鎖を主に含むことが判明した。主に2種の分子量がわずかに異なる酵素型が存在し、これらはレクチン・アファニティークロマトグラフィーによって分離できることから、両者の相違は主に糖鎖構造の違いによるものであると結論された。本酵素は典型的なセリンプロテアーゼであるが、システインプロテアーゼ阻害剤の一つであるE-64によっても強く阻害されるという興味ある知見が得られた。種々の合成ペプチドを用いた基質特異性検索から、P2〜P4位の酸性残基は活性の効率的発現には重要であるが、必しも活性発現に必須ではないことが、少なくともペプチド基質については示された。 2. カテプシンE遺伝子をマウスの16.8Κb遺伝子クローンより単離し、その塩基配列を決定した。全体的な遺伝子構成はヒトカテプシンEの場合とほぼ同様であった。蛍光in situハイブリダイゼーション法により、染色体1のFバンドに遺伝子が位置することを明らかにした。 3. 小腸粘膜に発見した新規の膜結合性Arg特異的セリンプロテアーゼ(コロプシン)について、そのcDNAをラット小腸cDNAライブラリーより単離、クローン化し、その全塩基配列の大半を決定し、コロプシン前駆体の一次構造を推定した。また、ヒトおよびラットについて、コロプシンnDNAの発現量を検索し、いずれの場合も小腸および結腸における発現量が特に高いことを示した。 4. 細胞内プロテオリシス可視化解析を目的とした、蛍光二種標識基質の調製法の検討を進めた。 5. CAAXモチーフ特異的プロテアーゼの性状検索の一環としてS.cerevisiaeの類縁酵素の遺伝子rec1およびacf1のS.pombeにおける発現条の構築した。 6. 上記研究と関連して、ブロメラインインヒビター、プロクターゼAおよびB、および食虫植物酸性プロテアーゼ等の性状解析を行った。
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