スフィンゴ脂質による細胞膜の極性形成と生物機能発現機構の解析

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09480156
• 研究機関: 理化学研究所
• 研究代表者: 平林 義雄 理化学研究所, 糖細胞情報研究チーム, チームリーダー(研究職) (90106435)
• 研究分担者: 入江 史敏 理化学研究所, 糖細胞情報研究チーム, 研究員 (90291054) ; 三苫 純也 理化学研究所, 糖細胞情報研究チーム, 研究員 (10281627) ; 市川 進一 理化学研究所, 糖細胞情報研究チーム, 研究員 (10223083) ; 古屋 茂樹 理化学研究所, 糖細胞情報研究チーム, 研究員 (00222274)
• キーワード: スフィンゴ脂質 / ガングリオシド / セラミド / アポトーシス

研究概要

1、グルコシルセラミド合成酵素遺伝子:
ショウジョウバエからマウスのグルコシルセラミド合成遺伝子(mGlcT-1)と極めて良く似た構造を有した遺伝子(dGlcT-1)のクローニングに成功した。得られた遺伝子をmGlcT-1の欠損したGM-95細胞(糖脂質欠損細胞)に発現させたところ、再びGM3ガングリオシドを合成することが示された。更に、セラミドへのグルコース転移酵素活性も検出されたことより、dGlcT-は確かに糖脂質合成酵素であることが確認された。ショウジョウバエの中から、糖脂質の欠損したミュータントを発見したので、hGlcT-1との関連から分子生物学的解析を進めている。
2、アセチルCoAトランスポーター、AT-1遺伝子:
マウスAT-1cDNA及びゲノム遺伝子のクローニングに成功した。AT-1遺伝子は、マウスの発生初期で神経系の細胞に強く発現していた。
3、神経系でのスフィンゴ脂質機能:
ラット培養脊髄運動ニューロンを使い、セラミドの作用メカニズムを解析した。セラミド添加は、運動ニューロンのアポトーシスによる細胞死を抑制した。セラミドは、ミトコンドリアからのROS産生を抑制することにより、細胞死を防ぐことが示された。

研究成果

• [文献書誌] Ichikawa, S., & Hirabayashi, Y.: "Ghucosylceramide synthase and glyrosphingohipid synthesis" Trends Cell Biol. 8. 198-202 (1998)
• [文献書誌] Yamane, T., Tohmo-oka, Yamada S Furuya S., Hirabayashi, Y., Sagino, H.: "Molecular characterization of yenepns enbryo haparan sulfate:Different stradured requiments for the epecihin binding to b FGF and tollistatin" J.Biol.Chem.273. 7375-7381 (1998)
• [文献書誌] Mitoma J, Kasama, T, Furuya S, Hirabayashi Y.: "Occurrence of an unasual lipid, phoshatidyl-L-threcnine, in cultured hippocampal neurano" J.Biol.Chem.(communications). 273. 19363-19366 (1998)
• [文献書誌] Furuya S, Mitoma J, Makino A & Hirabayashi: "Ceramide and its interconvertible metabolite sphingosine function as indispensable lipid factors involued in surrival and dondritic differentiation" J.Neurochem.71. 366-377 (1998)
• [文献書誌] Komori H, Ichikawa S.& Hirabayashi Y.: "Regulation of intracellular ceramide content in B16 melanoma cells." J.Biol.Chem.印刷中. (1999)
• [文献書誌] Suzuki Y Ono Y & Hirabayashi: "Rapid and specific reactive oxygen species generation vin NADPH oxidane activation dureing Fas-mediated apoptosis" FEBS Letters. 425. 209-212 (1998)