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1997 年度 実績報告書

ヘムオキシゲナーゼ反応における三段階での酵素活性化の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 09480158
研究機関山形大学

研究代表者

吉田 匡  山形大学, 医学部, 教授 (10004673)

研究分担者 藤井 浩  山形顕テクノポリス財団生物ラジカル研究所, 主任研究員 (80228957)
張 旭紅  山形大学, 医学部, 助手
キーワードヘムオキシゲナーゼ / オキシゲナーゼ / 酵素活性化機構 / ヘム / ヘムの分解 / CO / ビリベルジン / ビリルビン
研究概要

ヘムオキシゲナーゼには二つのイソ酵素がありそれぞれHO-1,HO-2と呼ばれている.本酵素はヘムをヒドロキシヘム,ベルドヘム,ビリベルジン・鉄錯塩を経てビリベルジン,CO,鉄イオンに酸化的に分解する.本酵素は本来ヘム蛋白質ではないが,基質であるヘムを結合して出来たヘム・ヘムオキシゲナーゼ複合体はヘム蛋白質としての性質を持つ.その光吸収スペクトルを含む各種スペクトルはミオグロビンのそれらと酷似している.従って本酵素のヒスチジン(His)残基がヘムの第五配位子である可能性が高い.HO-1ではHis25が近位Hisであり,高度に保存されている領域中のHis132はヘム分解活性には全く関与していなかった.そこで今回HO-2のハムポケットの構造等がHO-1と同等かどうかを類推するために,HO-1のHis25とHis132に相当するHO-2のHis45とHis152について,それらをアラニンに変えた変異酵素(H45AとH152A)を作り大腸菌に発現させ,その精製酵素について検討した.その結果次の事実が知られた.
1.H45Aはヘムを分解する活性が全くなかった.2.H45Aとヘムとの複合体のEPRの結果からHis45はヘムの近位Hisであることが知られた.3.H152Aは大腸菌内で封入体として発現されていた.それを尿素処理によって再生しゲル濾過法にかけると二つの画分に分かれた.void volumeに溶出される画分には全くヘム分解活性が無かったが野生型酵素と同じ所に溶出される画分には野生型と匹敵する活性があった.またその画分とヘムとの複合体のスペクトルは野生型とは区別できなかった.この結果は以前米国の研究者によって報告された事実とは相反する結果であった.
以上の実験事実からHO-2のヘムポケトの構造やヘム分解の機構はHO-1と同様であろうと推察された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Ishikawa Kazunobu: "Identification of histidine 45 as the axial heme iror eigane of heme oxygenase-2" Journal of Biological Chemistry. 273・8. 4317-4322 (1998)

  • [文献書誌] Migita Catharina Taiko: "The oxygen and carbon monoxide reactions of heme oxygenase" Journal of Biological Chemistry. 273・2. 945-949 (1998)

  • [文献書誌] Mansfied Matera Kathryn: "Histidine-132 does not stabilize a distal water eigand and is not an important residue for the enzyme activity in heme oxygenase-1" Biochemistry. 36・16. 4909-4915 (1997)

  • [文献書誌] Takahashi Satoshi: "Resonance Roman spectroscopic characterization of α-hydrogheme and verdoheme complexes ofheme oxygenase" Biochemistry. 36・6. 1402-1410 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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