• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

ヘムオキシゲナーゼ反応における三段階での酸素活性化の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 09480158
研究機関山形大学

研究代表者

吉田 匡  山形大学, 医学部, 教授 (10004673)

研究分担者 右田 たい子  山口大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90159161)
張 旭紅  山形大学, 医学部, 助手 (10292442)
キーワードヘムオキシゲナーゼ / オキシゲナーゼ / 酸素活性化機構 / ヘム / ヘムの分解 / CO / ビリベルジン / ビリルビン
研究概要

ミクロソーム酵素であるヘムオキシゲナーゼには二つのイソ酵素があり,HO-1とHO-2と呼ばれている.本酵素はヘムをヒドロキシヘム,ベルドヘム,ビリベルジン・鉄錯塩を経てビリベルジン,CO,鉄イオンに分解する.ヘムだけではなくヒドロキシヘム,ベルドヘムからの反応でもそれぞれ一分子の酸素が利用される.従って,三つの連続した一原子酸素添加反応が一つの酵素蛋白の上で起こっていることになる.反応に必要な電子は全てNADPH/P-450還元酵素より供給される.P-450還元酵素はミクロソーム酵素であり,通常,NADPHからの電子を同じくミクロソーム酵素であるシトクロムP-450に伝達する.その際,還元酵素とP-450の間で効率良く電子伝達が行われるように,二つの蛋白が適切な三次元配置をとると考えられている.そのような立体構築には還元酵素の酸性アミノ酸とP-450の塩基性アミノ酸が主要な役割を持つと報告されている.従って,HOの塩基性アミノ酸も電子の受取に重要な働きを持つことが推測される.そこで哺乳動物のHO-1とHO-2で保存されている20種類の塩基性アミノ酸,Arg,Lys,をAlaに置換した変異酵素を作成し活性を比較した.その結果,還元系としてNADPH/P-450還元酵素を用いた場合は,R35A,K39A,R44A,R136A,K148A,K149A,K153A,R185A,R196Aの9種の変異酵素で活性が低下した.然し,還元系としてアスコルビン酸や過酸化水素を用いた場合は,何れの変異酵素でも著明な活性低下は認められず,むしろ活性が高くなるものも二三見受けられた.この事実は9種の変異酵素ではアミノ酸置換によってヘムポケットの構造が変化た結果ヘム分解活性が低下した訳ではないことを明確に示している.従って,上記9種のアミノ酸が還元酵素からの電子伝達に関わっていると判断された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Fujii H.et al.: "Cobalt porphyrin hene oxygenase complex, EIR evidences for the distal hene pocket hydrogen bonding" J.Ame.Chem.Soc.130・32. 8251-8252 (1998)

  • [文献書誌] Ishikawa, K.et al.: "Identification of Hibidine 45 as the anal heme ligane of heme oxygenase-2" J.Biol.Chem.273・8. 4317-4322 (1998)

  • [文献書誌] Migita, C.T.et al.: "The oxygen and carbon monsxide reactions of heme oxygenase" J.Biol.Chem.273・2. 945-949 (1998)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi