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1997 年度 実績報告書

Na^+輸送性液胞型ATPアーゼの構造と機能

研究課題

研究課題/領域番号 09480166
研究機関東京理科大学

研究代表者

山登 一郎  東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (70111458)

研究分担者 柿沼 喜己  千葉大学, 薬学部, 助教授 (80134394)
目黒 俊幸  東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (20287478)
キーワード液胞型ATPアーゼ / Na^+輸送性ATPアーゼ / 腸内連鎖球菌 / 精製と再構成
研究概要

交付申請書記載の本年度研究目的・実施計画を概ね順調に遂行することが出来た。
1.本ATPアーゼ遺伝子群の分子生物学的研究を行った。9個のサブユニットのうち、特に、触媒サブユニットであるAサブユニットとイオン輸送路であるプロテオリピドサブユニットの重要なアミノ酸の部位特異的変異導入を行った。その結果、Aサブユニット活性部位付近のCys残基の重要性とSH試薬感受性の相関関係を、また、プロテオリピドサブユニットの保存性Glu残基近傍の一次構造が、本酵素の場合、イオン輸送機能に厳密に必須であることを示すことが出来た。
2.クローニングした遺伝子群を用い、腸内連鎖球菌において本酵素の大量発現に成功した。次に界面活性剤存在下、一般のカラムクロマトグラフィーにより再構成能のある精製標品を得ることができた。酵素学的性質を調べ、厳密にNa^+濃度依存であること、顕著なリン脂質要求性は示さないこと、一般のV型ATPアーゼ阻害剤に感受性であること、しかしバフィロマイシンには非感受性であることが判った。また、再構成系において、起電性のNa^+輸送活性を持つことを示すことが出来た。
3.各サブユニット欠失株の本ATPアーゼ活性とアルカリ性pH及び高Na^+濃度存在下の生育を調べた。その結果、遺伝子群の中からAからGおよびIとKの9つのサブユニット全てが、ATPアーゼ活性にも生育にも必須であった。このことは、本ATPアーゼが果たす細胞膜を介するイオン濃度恒常性維持が細胞生育に必須であることを示す。
4.本ATPアーゼの触媒頭部(V_1)の精製系を確立した。X線結晶構造解析のため、V_1の結晶化条件を検討した。その結果、F_1結晶化と類似の条件が適当であると推定した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Murata: "Purification and reconstitution of Na^+-translocating vacuolar ATPase from Enterococcus hirae." J.Biol.Chem.272. 24885-24890 (1997)

  • [文献書誌] A.Suenaga: "Molecular dynamics simulation of unfolding of histidine-containing phoshocarrier protein in water." J.Chem.Software. (in press). (1998)

  • [文献書誌] 山登一郎: "生物工学基礎コース、微生物工学" 丸善株式会社, 166 (1997)

  • [文献書誌] A.Suenaga: "Progress in Cell Research,Vol.6: Molecular Biophysics of Ion Channels" Elsevier Sci.Pub., (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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