研究課題/領域番号 |
09480166
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
山登 一郎 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (70111458)
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研究分担者 |
柿沼 喜己 千葉大学, 薬学部, 助教授 (80134394)
目黒 俊幸 東京理科大学, 基礎工学部, 助手
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キーワード | 液胞型ATPアーゼ / Na^+輸送性ATPアーゼ / 腸内連鎖球菌 / 精製と再構成 |
研究概要 |
交付申請書記載の本年度研究目的・実施計画を概ね順調に遂行することが出来た。 1. 本酵素の精製標品を用い、Na^+やATP.ADPなど基質の結合活性を調べた。膜結合部分は、常にNa^+に対し高い親和性を持っていた。ATP添加により、その親和性が低下した。つまり、結合しているNa^+を膜の外側で遊離させる段階にATPのエネルギーを使用しているというエネルギー共役機構を示すことができた。 2. 再構成系からEDTA処理により遊離させた触媒頭部部分(V_1)と残った膜結合部分(V_0)のペプチドの同定を行い、サブユニットIとKが膜結合性であることが分かった。サブユニットGだけはどちらとも判定できなかった。また膜結合部分のイオン透過活性を調べた結果、膜部分だけで膜電位依存のNa^+透過活性を有していた。しかし、その活性はチャンネル活性とは考えられなかった。 3. カラムクロマトグラフィーを用いて、本酵素(V_1V_0)の大量精製に成功した。そこで、その結晶化を試みている。 4. 本ATPアーゼ触媒頭部(V_1)精製標品の結晶化を行った。現在X線照射による構造解析を行っている。また、F_1との構造類似性を基に、分子モデリングによりV_1の三次元構造を推定した。 5. 各サブユニット欠失株の各種条件下における生育を調べた結果、すべてのサブユニットが高塩濃度、アルカリ条件下での細胞生育に必須であることが分かった。
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