研究課題/領域番号 |
09480174
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
本間 道夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50209342)
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研究分担者 |
川岸 郁朗 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80234037)
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キーワード | イオンチャネル / エネルギー変換 / ビブリオ菌 / べん毛 / モーター / ナトリウム駆動力 |
研究概要 |
Na^+駆動型モーターのエネルギー変換ユニットあるいはイオンチャネルに対応すると考えられる遺伝子(motX、motY、pomA、pomB)を我々は同定している。H^+駆動型モータータンパク質MotAとMotBとの相同性から、PomAとPomBは複合体を形成してNa^+チャネルとして機能していると考えられている。一方、Na^+駆動型モーターには他に、MotXとMotYが機能に必要である。MotX、MotYは共に1回膜貫通で、特にMotXはNa^+チャネルを構成する可能性が示唆されている。そこで、V.alginolyticusでは完全な遺伝子としてクローニングされていなかったmotXのクローニングを行った。当研究室においてクローニングされていたmotXのプロモーター領域を含むHindIII断片の配列から上流プライマーを作成し、下流については、近縁種のV.parahaemolyticusにおけるmotX下流のhmpという遺伝子の塩基配列を利用してミックスプライマーを設計した。この2種のプライマーでV.alginolyticus VIO5株の染色体DNAをテンプレートとしてPCRを行ったところ、motXと思われる断片が増幅された。このPCR産物をクローニングし、motX部分の塩基配列を決定してV.parahaemolyticusのmotXと比較してみたところ、80%の相同性があり、推定アミノ酸配列では全体で94%の相同性を示した。次に、lac promoterの後に遺伝子が正の向きで組み込まれたプラスミドpMO200を作成し、これをV.parahaemolyticusのmotX欠損株に導入したところ、軟寒天培地上で運動能を回復した。また、motX以外のNa^+駆動型モーター遺伝子pomA、pomB、motYのいずれにも相補されないV.alginolyticusの変異株を我々は、3株単離していたが、これらもpMO200により相補された。これらの変異株についてはmotX部分の塩基配列を調べたところ変異部位を特定することができた。現在V.alginolyticusのmotX欠損株の作成と、これらの結果をもとに変異株の作成を行っており、motXの機能に関して解析を進めている。
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