研究課題/領域番号 |
09480175
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
若林 克三 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (00029521)
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研究分担者 |
若林 克三 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (00029521)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 高速X線回折 / シンクロトロン放射光 / 骨格筋の収縮 / 筋フィラメントの伸展性 / アクチンフィラメント / アクチンフィラメントの伸び / ミオシンフィラメント / Force generation in muscle |
研究概要 |
骨格筋のアクチンフィラメントの力学的性質と張力発生の関係を理解するために、筋節長を変えたり、収縮筋に筋長変化を与えることによって発生張力レベルを変えてシンクロトロン放射光を使った高速X線回折を行った。その結果以下のことが明らかとなった。 1)細いフィラメントの伸びと力の関係は線形となり、アクチンフィラメントは純弾性的な性質を持つ。この伸展性はアクチンフィラメントの右巻きらせんが緩むような構造変化と相関し、その時間経過は筋肉の力発生と密接に関係している。 2)収縮の初期、細いフィラメントが活性化される時点で、フィラメントは短縮する。この場合、アクチンフィラメントの右巻きらせんがきつくなる方向に変化した。この初期短縮を考慮すると、収縮中のフィラメントの正味の伸びは0.35%となった。 3)等尺的収縮筋に筋長変化を与えたとき、ミオシン子午反射の強度減少とスペーシング変化は張力変化の時間経過と平行的であった。張力発生にミオシンクロスブリッジの構造変化や伸びも関与している。 このように、本研究で収縮中のアクチンフィラメントの弾性的性質と構造変化に関して明確な実験的証明が提供された。また、ミオシンクロスブリッジに関しても力発生と関係して構造変化が起こっていることが示された。これらの新しい知見を使って、アクチンとミオシンの構造変化を共役させた筋収縮の分子モデルが考察された。
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