研究課題/領域番号 |
09480177
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
赤坂 一之 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50025368)
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研究分担者 |
田村 厚夫 神戸大学, 自然科学研究科, 講師 (90273797)
山田 博昭 神戸大学, 理学部, 助教授 (90030767)
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キーワード | 高圧 / NMR / 蛋白質 / 立体構造 / 水素結合 / 揺らぎ |
研究概要 |
独創的な高圧高分解能NMRシステムを用いて、1-2000気圧程度の圧力下でのいくつかの代表的な蛋白質の構造変化を、プロトンまたはN-15NMR信号の化学シフトの変化として、各原子毎のこれまで例をみない高い分解能で観測することに成功した。(1)リゾチームでは、特にその大きな疎水コアプロトンのシフトが大きく、疎水コア部分の立体構造が本来、変化し易いものとなっていることが明らかとなった(文献1)。(2)牛脾臓トリプシンインヒビターの場合、加圧により個々の水素結合が短縮することが明かにされ、それぞれの水素結合の短縮の程度まで推定された(文献2)。加圧による水素結合の短縮はその他の複数の蛋白質について確認した。(3)さらにN-15標識した蛋白質では、加圧に伴うアミノ基N-15核の低磁場への化学シフト変化が認められた。これは水素結合の他に蛋白質主鎖のコンフォメーションが加圧下で変化することを示すもので、それらのシフト変化は蛋白質主鎖の部位毎に構造変化の度合が異なることを示している。 以上のように、加圧により溶液中の蛋白質分子全体にわたって、それぞれの蛋白質固有の構造変化が誘起されることが明かとなった。この構造変化は圧力に応答するゆっくりした構造変化をすべて含んでおり、これまで情報の少なかった遅い時間域での揺らぎに関する原子単位での情報を提供すると考えられる。
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