我々はこれまで、タンパク質の立体構造予測問題に、物理学の分野で開発された、徐冷モンテカルロ法やマルチカノニカル法適用することを提唱してきた。これまでは、小ペプチド系において、第一原理からの構造予測を試みてきたが、これらの手法はX線実験やNMR実験から得られる構造決定にも使えることを示すと共に、有功なプログラムを開発することが本研究の目的である。 本年度はこれらの最適化手法のうちの三つ(すなわち、マルチカノニカル法、1/k法、焼き戻し法)の有効性を比べ、これら三つの手法が大体同等の有効性を持つことを示した。 更には、マルチカノニカル法では、その確率重み因子を求めるのが容易でないので、それが比較的簡単に求められる新しい手法を独自に開発することに成功した。そして、その有効性をMet-enkephalinの系で確かめた。
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