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1998 年度 研究成果報告書概要

包括的転写制御の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 09480184
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 分子生物学
研究機関千葉大学

研究代表者

田村 隆明  千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30112692)

研究分担者 牧野 康孝  千葉大学, 理学部, 助手 (20240989)
研究期間 (年度) 1997 – 1998
キーワードTBP / TIP120 / 基本転写因子 / 転写制御
研究概要

真核生物において、TBPはTFIID、SL1あるいはTFIIIB複合体の構成成分であり、全クラスの遺伝子の転写に関与する普遍的転写因子である。TBPは多くの転写制御因子、転写メディエーター、癌関連産物などと結合し、これらの転写制御シグナルはTBPを介してプロモーターに伝達される。TBPと相互作用する因子は転写開始の調節において重要な役割を持つ。
我々は120kDのTBP結合性蛋白質(TIP120)を同定し、そのcDNAを単離した。TIP120は自身でTBPと結合することができ、細胞内でTBPを含む巨大な複合体の一部となっていた。生化学的解析より、TIPl20はプロモーター構造に非依存的に転写を活性化でき、活性化の標的としてpolIIがプロモーターに取り込まれる転写開始複合体形成後期が重要である事を見いたした。また、培養細胞を用いたルシフェラーゼアッセイにおいても転写の活性化が認められた。興味深いことに、TIPl20はpolII単独による非特異的な転写をも活性化する。TIP120はpolIIに対して質的な変化をもたらし、プロモーターへの取り込みを促進することで、転写を活性化すると推測された。我々はさらに解析を進め、TIP120がDNA修復等に関与するプロテインキナーゼDNA-PKと,低いながらもホモロジーを示すこと、実際にプロテインキナーゼ活性を有することを生化学的に証明し、その基質がpolI、II、IIIの共通サブユニットRPB6である事を同定した。さらに、TIP120はpolIやpolIIIによる非特異的転写、および特異的転写においても促進効果を示した。
TIP120はRNAポリメラーゼをリン酸化する事で、クラスを超えて転写を活性化できる新しいタイプの転写因子である可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 牧野康孝 他: "TIP49, Homologous to the Bacterial DNA Helicase RuvB, Acts as an Autoantigen in Human" Biochem.Biophys.Res.Commun.245. 819-823 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 大林徹也 他: "Identitication of a mouse TBP-like protein (TLP) distantly related to the Drosophila TBP-related factor" Nucleic Acids Research. 27. 750-755 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 黒川裕美子 他: "A Notable Example of an Evolutionary Conserved Gene : Studies on a Putative DNA Helicase TIP49" DNA seq.10. 37-42 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Y.Makino, T.Tamura et al.: "TIP49, homologous to the bacterial DNA helicase RuvB acts as an autoantigen in human." B.B.R.C.245. 819-823 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] T.Ohbayashi, Y.Makino, & T.Tamura: "Identification of a mouse TBP-like protein(TLP)distantly related to the Drosophila TBP-related factor." N.A.R.27. 750-755 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Y.Kurokawa, T.Tamura et al.: "A notable example of an evolutionary conserved gene : studies on a putative DNA helicase TIP49." DNA Seq.10. 37-42 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1999-12-08  

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