• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

脳cdc2関連キナーゼ、cdk5の活性制御機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09480191
研究機関東京都立大学

研究代表者

久永 眞市  東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20181092)

キーワードサイクリン依存性キナーゼ / 神経細胞 / ニューロフィラメント / 神経栄養因子 / two-hybridシステム / 培養細胞
研究概要

cdk5は神経細胞で活性が特異的に検出されているcdc2関連キナーゼである。cdk5の活性化には、活性化サブユニットであるp35との結合が必須である。しかし、他のcdkで知られているような活性制御機構(リン酸化や活性阻害因子)については全く判っていない。本研究ではcdk5の活性制御機構について、培養神経細胞を用いた細胞レベルでの活性調節と酵母のtwo-hybridシステムを用いた新たな活性または制御サブユニットの検索という二つの異なった方法で検討している。
(1)初代培養神経細胞を用いたcdk5の活性化機構の解析
ラット大脳皮質の初代培養神経細胞を用いて、ニューロフィラメント蛋白(NF-H)がcdk5によりリン酸化されていく過程を再現でき、しかも、培養条件を変化させることにより、リン酸化の時期を調節する実験系ができた。このシステムを用いて、cdk5の活性制御機構を細胞レベルで解析した。その結果、NF-Hのリン酸化はシナプス形成を契機にして誘導されることが示された。このリン酸化誘導は後シナプス細胞からの脳由来神経栄養因子(BDNF)の分泌によっていた。実際に、BDNFによりcdk5活性が活性化していたが、その活性化機構については今後の課題である。
(2)酵母のtwo-hybridシステムを用いたcdk5活性化機構の解析
ヒト胎児脳のcDNAライブラリーからcdk5またはその活性化サブユニット(p35)に結合する蛋白をクローニングしている。現在cdk5に結合する遺伝子4つとp35に結合する遺伝子が5つ単離されている。現在、DNA配列を決め、それらを同定しようとしているところである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ando,S.,et al.,: "Role of the pyrrolidine ring of proline in determining the substrate specificity of cdc2 kinase or cdk5." J.Biochemistry. 122. 409-414 (1997)

  • [文献書誌] Itoh,T.J.,et al.,: "Phosphorylation states of microtubule-associated protein 2(MAP2)determine the regulatory role of MAP2 in microtubule dynamics" Biochemistry. 36. 12574-12582 (1997)

  • [文献書誌] Honma,N.,et al.,: "Phosphorylation of retinoblastoma protein at apoptotic cell death in rat neuroblastoma B50 cells." Neurosci.Lett.235. 45-48 (1997)

  • [文献書誌] Ookata,K.,et al.,: "MAP4 is the in vivo substrate for cdc2 kinase in HeLa cells:identification of an M-phase specific a and cell cycle-independent phosphroylation site in MAP4." Biochemistry. 36. 15873-15883 (1997)

  • [文献書誌] 久永眞市: "ロータリーシャドィング-繊維状タンパク質の観察に優れたグリセリン・スプレイ法-" 細胞工学. 16(3). 478-485 (1997)

  • [文献書誌] 久永眞市: "情報伝達系における細胞骨格" 蛋白核酸酵素. 42(3). 453-463 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi