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1997 年度 実績報告書

細胞分裂期におけるミオシン軽鎖キナーゼの機能解析に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09480197
研究機関広島大学

研究代表者

細谷 浩史  広島大学, 理学部, 教授 (90183102)

キーワードミオシン / ミオシン軽鎖キナーゼ / MLCK / リン酸化 / HeLa細胞 / 細胞分裂 / 細胞質分裂
研究概要

動物細胞の分裂メカニズムを解明する目的で、細胞周期の研究にすぐれたHeLa細胞またはウニ卵細胞を実験材料に様々な検討を行った。
分裂時に形成される「収縮環」収縮の引き金として、ミオシンのリン酸化、およびリン酸化に伴うミオシンの活性化が重要であると考えられている。この点を明らかにすることを目的として、実際に収縮環にリン酸化ミオシンが局在するかどうかの検討を行った。HeLa細胞からはミオシンの報告がないため、まず、ミオシン調節軽鎖遺伝子の単離を行い、3種類のミオシン調節軽鎖の同定を行った。これらのN末のアミノ酸配列は、ニワトリ砂嚢ミオシン調節軽鎖の配列と相同であった。N末にはMLCKによるリン酸化部位が2カ所存在するため、それぞれの部分をリン酸化したペプチドを別々に合成してウサギに免疫し、リン酸化ミオシン調節軽鎖を特異的に認識する抗体(p1およびpp1)の作製に成功した。p1およびpp1を用いてHeLa細胞を染色したところ、収縮環がはっきりと染色され、実際に収縮環にリン酸化されたミオシンが局在することが初めて示された。
次に、分裂時にミオシンをリン酸化するキナーゼの同定を行った。平滑筋MLCKの配列をもとにプローブを作製し、ミオシン軽鎖キナーゼ遺伝子の検索を行ったところ、ウニ卵細胞ライブラリーより2種類の遺伝子が単離された。シークエンスを行ったところ、その内の一種類は、MAPキナーゼカスケードの最下流であるMAPキナーゼ活性化キナーゼ2と配列の相同性が高い遺伝子であることが明らかになった(MAPキナーゼ活性化キナーゼ4と命名)。この遺伝子を大腸菌に導入して発現させた融合タンパク質は、ミオシン軽鎖のMLCKリン酸化部位をリン酸化する事、リン酸化されたミオシンのATP活性は上昇することが明らかになった。現在、このタンパク質の抗体を作製し、分裂時における細胞内局在の検討を試みているところである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Komatsu, N.Murai, 他: "Identification of MAPKAP homologue (MAPKAPK-4) as the kinase responsible for phosphorylation of myosin II regulatory light chain in sea urchin egg extracts." Arch.Biophys.Biochem.343. 55-62 (1997)

  • [文献書誌] S.Komatsu, M.Murata-Hori, 他: "Involvement of p34cdc2 kinase from sea urchin Hemicentrotus pulcherrimus in the phosphorylation of myosin II regulatory light chain in the metaphase extract." Gene. 198. 359-365 (1997)

  • [文献書誌] H.Hosoya, M.Murata-Hori, 他: "Effects of Wortmannin on the cytoskeletal structure of HeLa cells." Biomed.Res.18. 321-324 (1997)

  • [文献書誌] T.Takahashi, M.Okubo, 他: "Regional differentiation of cortical structures and their reorganization during cell division in Paramecium trichium." J.EuK.Microhiol.(in press). (1998)

  • [文献書誌] M.Murata-Hori, N.Murai, 他: "Singly phosphorylated myosin II regulatory light chain is localized in the cleavage furrow of dividing HeLa cells" Biomed.Res.19. in press (1998)

  • [文献書誌] K.-M.Suzuki, N.Hosoya, 他: "A newly-identified cystein protease,Tetrain,from Tetrahymena into culture medium during the cell growth." J.Biochem.121. 642-647 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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