研究課題/領域番号 |
09480198
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
目加田 英輔 久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (20135742)
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研究分担者 |
中村 邦明 久留米大学, 分子生命科学研究所, 日本学術振興会特別研
馬田 敏幸 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (30213482)
岩本 亮 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (10213323)
常岡 誠 久留米大学, 分子生命科学研究所, 講師 (50197745)
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キーワード | HB-EGF / CD9 / インテグリン / 膜結合型 |
研究概要 |
膜結合型細胞増殖因子HB-EGFは、膜4回貫通型蛋白質であるCD9並びにCD63とCD81、細胞接着因子であるインテグリンα3β1、細胞外マトリックス成分であるヘパラン硫酸プロテオグリカンと複合体を形成して細胞と細胞の接着部位に局在しており、その複合体は細胞接着を介した細胞増殖の制御に働いているものと推定される。本研究は、HB-EGF複合体による細胞接着を介した細胞増殖制御機構を、複合体を形成する個々の因子の役割を分子レベルで解析すると同時に、複合体全体の生理的役割を、培養細胞レベル、ニワトリ胚やマウス個体を用いて明らかにしようとするものである。 平成9年4月から現在(平成10年1月)までに行った研究によって次のような結果を得た。(1)CD9はHB-EGFに結合して、その作用を増強するが、この増強に関係するHB-EGF並びにCD9の分子内領域を決定した。(2)膜結合型HB-EGFは、ある種の細胞にアポトーシスを誘導すること、このような作用は分泌型HB-EGFでは見られないこと、を見いだした。(3)ニワトリ胚の肢芽形成期に将来アポトーシスが起こる部分でHB-EGF並びにCD9の発現が認められた。(4)以上のことから、膜結合型HB-EGFは分泌型とは異なる機能を持って作用していること、その作用は細胞増殖の促進だけでなく抑制あるいはアボトーシスの誘導に働いていることが示唆された。今後は、これらの知見を更に発展させて、HB-EGFによる細胞接着を介した細胞増殖制御のメカニズムのより詳しい理解を目指す予定である。
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