研究概要 |
私達が筋形成機構の研究のなかでクローニングした遺伝子群メルトリンα、β、γはADAMファミリーに属する膜型プロテアーゼである。発生過程において骨形成部位でも高い発現をしめすことから、本研究では、これらの分子の骨・筋形成における役割を探ってきた。 1)メルトリンα遺伝子のマウス個体における役割 メルトリンα遺伝子欠損マウスを作成し、解析を行った。現在,BALB/c,C3H/He,C57BL6の3系統に戻し交雑を行って解析を行っている。いずれの系統(n=8)でもホモ個体の40〜50%が出生前に胎内で死亡することが明らかになった。また、成体の筋肉ではメルトリンは発現していないが,筋破壊後の再生過程では,再生部位に一過的にメルトリンαの発現が誘導されることを見いだした。 2)メルトリンβ遺伝子の役割 まず、マウスメルトリンβ遺伝子を単離し、ES細胞を用いた遺伝子ノックアウトマウスを作成中である。現在、heterozygoteが得られている。 一方、メルトリンβのメタロプロテアーゼドメインが細胞膜貫通型増殖因子の膜型から可溶化型への変換に関わっている事を見い出した。
|