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1997 年度 実績報告書

四肢位置の決定機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09480203
研究機関東北大学

研究代表者

井出 宏之  東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70022704)

研究分担者 田村 宏治  東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70261550)
山本 博章  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40174809)
キーワード肢芽 / 背腹軸 / 遺伝子発現
研究概要

ニワトリ胚の肢芽が決定される位置についての研究を行ない、以下の新しい知見を得た。
1)これまで行っていた研究で肢芽が背腹の境界にできることが明らかになっていたが、この背腹境界がEn-1遺伝子の発現境界であることを明らかにした。さらに、この遺伝子をウイルスに組み込んで強制発現させることによって、肢芽形成の最初のマーカーであるFgf-8の発現が、En-1の発現の境界で起こることを明らかにした。
2)発生過程で、上記の背腹境界の側板域は、前後方向には、前肢域、中間域、後肢域に決定されると考えられる。この部域化の機構を明らかにするために、まず側板中胚葉の移植を行なった。この領域を神経管の背部に移植すると、AERが形成され、さらに四肢を形成する事が昨年までに明らかになっている。そこで宿主の移植される領域を前後軸に沿って変え、前肢、後肢の形成を調べた。その結果、発生段階11の予定後肢域を同時期の前肢レベルの神経管に移植すると前肢が、後肢レベルの神経管に移植すると後肢が形成され、この時期の神経管または脊索から部域性を決める因子が分泌されているという可能性が示唆された。
3)上記の細胞間相互作用をより明確にするため、二種の細胞集団を隣り合わせて培養し、相互作用を調べるシステムを開発した。このシステムでは、位置価の異なった細胞の相互作用によって、境界面で肢芽細胞からの軟骨分化の顕著な促進や阻害がみられた。現在このシステムで、側板の背腹域の相互作用について解析中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Tanaka, M.: "AER-induction at the dorsal-ventral boundary produced by engrailed-1 in chick limb bud." Development,Growth and Differentiation. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] Yokoyama, H.: "Multiple digit formation in Xenopus limb recombinant" Developmental Biology. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] Mochizuki, A.: "Cell-cell adhesion in limb formation,estimated from photographs of sorting experiments based on a special stochastic model." Developmental Dynamics. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] Tamura, K.: "Retinoic acid changes the proximo-distal developmental competence and affinity of distal cells in the developing chick limb bud." Developmental Biology. 188. 224-234 (1997)

  • [文献書誌] Endo, T.: "Shh expression in developing and regenerating limb buds of Xenopus laevis." Developmental Dynamics. 209. 227-232 (1997)

  • [文献書誌] Tanaka, M.: "Induction of additional limb at the dorsal-ventral boundary of a chick embryo." Developmental Biology. 182. 191-203 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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