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1998 年度 実績報告書

四肢位置の決定機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09480203
研究機関東北大学

研究代表者

井出 宏之  東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70022704)

研究分担者 前田 美香  東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40292205)
山本 博章  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40174809)
キーワード肢芽 / 背腹軸 / 繊維芽細胞成長因子
研究概要

四肢は側板中胚葉から形成される。四肢は側板中胚葉の背腹境界面に形成される。この境界面はEn-1遺伝子の発現境界でもある。
繊維芽細胞成長因子(FGF)は脇腹の側板中胚葉に過剰肢を誘導する。今までの報告では、誘導された四肢は片側の脇腹についてすべて1本であり、2本以上の四肢が誘導されたという報告はなかった。しかし本研究で、FGF2を含むビーズを挿入した場合には、脇腹の部分に片側2本の過剰肢が誘導される事が明らかになった。2本の過剰肢のうち、前側の四肢はほぼ完全だが、後側の四肢は先端部が欠損していた。一方、FGF4やFGF8を含むビーズを入れた場合は、今までの報告と同様、一本の四肢しかできなかった。
シグナル分子の遺伝子の発現をin situ hybridizationによって調べた結果、FGFによってfgf10、fgf8、shh発現域が2カ所になることが分かった。shhはビーズ周辺に発現するようになるが、この発現は一時的なもので、肢芽の発達とともに消失した。このため脇腹後側にできた肢芽はZ先端ができなくなると考えられる。
さらに体側部背腹の境界面に肢芽、特にAERができる機構を明らかにするため、外胚葉の細胞培養を行った。AERを含む肢芽外胚葉をトリプシン処理で解離し、コラーゲンコートした培養皿上BGJ-液とF-12液を混合した液で培養し、AER状の構造の形成に成功した。この構造はAERのマーカーであるfgf8を発現し、これを用いて解離間充織を覆って再構成肢芽を作ると、軟骨突起の伸長がみられた。またAER由来細胞と非AER由来細胞の間で、培養下に選別が起こり、結果としてAERができることが明らかになった。今後、背側外胚葉と腹側外胚葉の培養を行い、境界部でのAER形成を可能にする中胚葉由来因子が関与する機構を明らかにする必要がある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yonei-Tamura,S.: "FGF7 and FGF10 induce the apical ectodermal ridge directly in the lateral and median ectoderm of chick embryo." Developmental Biology. (印刷中). (1999)

  • [文献書誌] Tanaka,M.: "AER-induction at the dorsal-ventral boundary produced by En-1 in chick limb bud." Development Growth & Differentiation. 40. 423-430 (1998)

  • [文献書誌] Sato-Maeda,M.: "Juxtaposition of two heterotypic monolayer cell cultures of chick limb bud." Development Growth & Differentiation. 40. 403-412 (1998)

  • [文献書誌] Yokoyama,H.: "Multiple digit formation in Xenopus limb recombinant." Developmental Biology.196. 1-10 (1998)

  • [文献書誌] Wada,N.(1998): "Glycosylphosphatidylinositol-anchored cell surface proteins regulate position-specific cell affinity in the limb bud." Developmental Biology.202. 244-252 (1998)

  • [文献書誌] "Shh,Bmp-2 and Hoxd-13 gene expression in chick limb bud cells in culture." Development Growth & Differentiation. 40. 457-464 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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