研究概要 |
本年度は2年計画の初年度に当たる。初年度の研究計画としてはXlim-1の標的遺伝子候補であるgoosecoid(gsc),Otx2,chordinのプロモーター解析と、新規標的遺伝子の検索を予定したが、その中でgscプロモーター解析と新規標的遺伝子の検索を重点的に行った。 1 gsc遺伝子のプロモーターをルシフェラーゼ遺伝子につないだレポーター遺伝子と、活性型Xlim-1をコードする合成mRNAをアフリカツメガエル2細胞期の動物極側に微量注入し、胞胚期でアニマルキャップ(予定外胚葉外植体)を切り出し培養し、原腸胚期に回収してルシフェラーゼ活性を測定するアッセイ系をまず確立した。このアッセイ系を用いることで活性型Xlim-1に反応してルシフェラーゼ活性を増大させる領域、即ち活性型Xlim-1の応答領域がgscプロモーター領域-492にあることを見い出した。さらに野生型Xlim-1とLIMドメイン結合核蛋白質Ldb1との共発現でも同様にgscプロモーターが活性化されること、また大腸菌で合成したGST-Xlim1ホメオドメイン融合蛋白質が、gscプロモーター領域-492に存在する複数のTAATコアエレメントに結合することを明らかにした。これらの結果はgscがXlim-1の標的遺伝子であることを強く示唆している。 2 活性型Xlim-1をコードする合成mRNAを微量注入したアニマルキャップを原腸胚期に回収しpoly(A)+RNAを調整した。コントロールとしては微量注入しないアニマルキャップからのpoly(A)+RNAを用い、これらよりサブトラクション・ライブラリーを市販のキットを用いて作成した。現在そのライブラリーから活性型Xlim-1で発現が増大するクローンのスクリーニングを行っている。
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