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1999 年度 実績報告書

シナプス後肥厚部を場としたシナプス可塑性発現の仕組みの解明

研究課題

研究課題/領域番号 09480222
研究機関信州大学

研究代表者

鈴木 龍雄  信州大学, 医学部, 教授 (80162965)

研究分担者 岡野 照  信州大学, 医学部, 助手 (30020803)
高木 博  信州大学, 医学部, 講師 (80247220)
キーワードPSD / シナプス可塑性 / 遺伝子クローニング
研究概要

1.抗PSD抗体を作成し、ラット大脳のcDNAライブラリーからエクスプレッションクローニングを行った結果、いくつかのクローンを拾った。そこには既知のタンパク質(スフォドリン、プレクチン、ニューロフィラメント)をコードするものもあったが、未知の遺伝子も含まれていた。未知の遺伝子のクローニングを進めた結果、一つの新規遺伝子の塩基配列を決定した。ホモロジー検索を行った結果、synGAPの一つのisoformであることがわかったので、仮にsyn GAP-βと命名した。mRNAは約6キロベースで、比較的発育の早い段階から発現しており、老化脳では発現が減少していた。in situ hybridizationを行い、ニューロンに局在すること、タンパク質はシナプス後肥厚部画分に限局することを明らかにした。また、少なくとも7種のsynGAPmRNA、5種のsynGAPタンパク質を同定した。
2.未知のシナプスタンパク質を認識する別の抗体を用いて、エクスプレッションクローニングを行った結果、全長3960bのDNAを単離し、2903bのcoding regionを同定した。アミノ酸配列では細胞膜と細胞骨格とのクロスリンカータンパク質であるtalinやその類縁タンパク質とカルボキシル末端側半分にホモロジーがみられた。また全体としてはHuntingtin-interacting protein(HIP)とホモロジーがあった。Northern blottingおよびin situ hybridizationでは、脳に広く発現がみられた。また、脳の他にはtestisに強い発現が見られた。フュージョンタンパク質を抗原として抗体を作成し、タンパク質の分布を調べたところ、脳とtestisに発現していた。また、神経細胞内ではシナプトソーム、シナプス膜画分に局在していた。以上の結果、このタンパク質のシナプス機能、Huntingtinとの連関が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Suzuki, T: "Presence of molecular chaperomes, heat shock cognate (Hsc) 70 and heat shock protein (Hsp)40,in the postsynaptic structures of rat brain."Brain Res.. 816. 99-110 (1999)

  • [文献書誌] Tian, QB: "Identification of mRNAs localizing in the postsynaptic region."Mol. Brain Res.. 72. 147-157 (1999)

  • [文献書誌] Suzuki, T: "Presence of up-stream and down-stream conponents of mitogen-activated protein Kinase(MAPK) pathway in the PSD fraction of the rat forebrain."Brain Res. 840. 36-44 (1999)

  • [文献書誌] Tojima, T: "Fine inside structure of exocytotic apertures in nerve cells revealed by atomic force microscopy."Biophys. J.. (in press). (2000)

  • [文献書誌] Takasi, H: "Roles of K channels in EPSP integration at model dendrite."Neurosci. Res. (in press). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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