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1998 年度 実績報告書

C.elegansを用いたドーパ性神経伝達を担う分子群の同定

研究課題

研究課題/領域番号 09480224
研究機関横浜市立大学

研究代表者

五嶋 良郎  横浜市立大学, 医学部, 助教授 (00153750)

研究分担者 金井 好克  杏林大学, 医学部, 助教授 (60204533)
桂 勲  国立遺伝学研究所, 構造遺伝学, 教授 (00107690)
古川 信也  横浜市立大学, 医学部, 助手 (90285114)
宮前 丈明  横浜市立大学, 医学部, 助手 (00239435)
キーワードドーパ / 伝達物質 / 受容体 / トランスポーター / 線虫 / 変異体 / アフリカツメガエル卵母細胞 / クローニング
研究概要

一つの生体内活性物質の役割を,分子的基盤のもとに明らかにすることは生命科学における最重要課題である.本年度研究計画の中心的研究課題は,昨年に引き続き1.ドーパ非感受性線虫の遺伝学的解析による“ドーパ受容体及びシグナル伝達分子"のクローニング及び2.ドーパトランスポーターの発現クローニングである.本計画年度における主要な成果は以下の2点である.
1. 線虫(Caenorhabditis elegans)実験系:すでに線虫をドーパを含むプレートに置いた際に生ずる一定の行動学的応答を指標に同応答を示さない変異株,dpa 1-9の9つを単離した(平成9年度成果).本年度成果は,ドーパ非感受性変異株の表現型の解析: 遺伝学的解析を確実に行う為,dpa変異株の野生株との最も顕著な表現型の相違を検討した.従来までの検討の結果 (1)dpa3は3M fructoseに対する忌避反応低下を示した. (2)dpa 1・9はNa^+走化性の異常を示した.この表現型を指標にすでにdpa1・9を野生株とそれぞれ4回づつ交配させ,遺伝学的に純化した. (3)dpaの表現型は知覚神経異常であるとの推定をもとに,神経伝達物質の放出に関わる分子synaptotagminの変異体unc-3と,dpaとの2重変異体の作成により表現型が顕在化するか否かを検討した.そのうちdpa2,7,8とunc-3との2重変異体は,いずれもdauer幼虫形成に異常が生ずることが判明した.ドーパ変異株の遺伝子座解析:現在進行中である.表現型(2)を指標に,dpa2,7は染色体IV,dpa8は染色体IIIに存在すると推定された.
2. ドーパトランスポーター発現系の確立
すでに,ウサギ小腸上皮細胞からのmRNA注入アフリカツメガエル卵母細胞において非注入卵に比し,約5倍程度の有意なNa^+依存性の[^<14>C]-L-DOPA取り込み活性を確認した.本年度成果は,Na^+依存性ドーパ取り込みの性格付け:同ドーパ取り込み活性のKm値は約20-30uM,また,他の中性大型アミノ酸であるTyrosine,phenylalanine
塩基性アミノ酸lysineなどにより取り込みが阻害された.同取り込みは外液Na^+に依存性,Cl-に非依存性であった.ドーパ取り込みのrBAT依存性:ウサギ小腸上皮mRNAのサイズによる分取を終了し,その最も高い取り込み活性をになう分画を同定した.この分画は中性アミノ酸取り込みアクチベーターrBATのサイズと一致した.ウサギrBATが同取り込み活性に関与するかを検討した.アンチセンスrBATをウサギ小腸上皮mRNAとともにco-injectionすると,ドーパ取り込みは著しく抑制された.従って,ウサギ小腸上皮mRNA由来ドーパ取り込み活性にはrBATが必須因子として関与することが判明した.現在,rBATによって活性化されるトランスポーターそのものを同定すべく、解析を進行中である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ishii,H.et al.: "Na^+-dependent transport activity for L-DOPA in Xenopus laevis oocyte injected with poly A^+RNA from" Jpn.J.Phasrmacol.76. 1899 (1998)

  • [文献書誌] Ishii,H.et al.: "Sodium-dependent transport activity for L-DOPA in Xenopus laevis oocyte injected with poly A^+RNA from" Neurosci.Res.(1998)

  • [文献書誌] Miyamae,T.et al.: "Some Interaction of L-DOPA and its related compounds with glutamate receptors" Life Sci. 64. 1045-1054 (1999)

  • [文献書誌] Miyamae,T.et al.: "L-DOPAergic components in the caudal ventrolateral medulla in barnretlex neurotransmission" Neurosci. (1999)

  • [文献書誌] Goshima,Y.et al.: "The evidence for fonic GABAergic regulation of basal L-DOPA releab via activation of・・・" Neurosci.Lett.(1999)

  • [文献書誌] Goshima,Y.et al.: "Functional mapping of L-DOPAergic systems in the CNS-Analysis of Na^+-dependent L-DOPA uptake・・・" Jpn.J.Pharmacol.79. (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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