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1997 年度 実績報告書

シアロ化合物による老化シナプス機能促進とその機構

研究課題

研究課題/領域番号 09480226
研究機関(財)東京都老人総合研究所

研究代表者

安藤 進  東京都老人総合研究所, 生体膜部門, 副所長 (30073000)

キーワードシアル酸 / ガングリオシド / シナプス / アセチルコリン / カルシウムチャネル / コリン取込み / 長期増強
研究概要

(1)ラット脳シナプトソームからのアセチルコリン放出が天然シアロ化合物ガングリオシドで促進されることを見い出してきた。その理由として、電位依存性に流入するカルシウムイオン量を高めていることがわかった。そこで、カルシウムチャネルのどのサブタイプが関わっているかをサブタイプ特異的Caチャネルブロッカーで調べたところ、ガングリオシドは特にN型チャネルを大きく活性化することが明らかにされた。(2)ガングリオシドの合成アナログのシナプス作用を検討した。シアル酸コレステロールはガングリオシドと同様にアセチルコリン放出を高めた。注目される発見はシアル酸コレステロールの異性体αとβで作用機作が異なることであった。α体はガングリオシドと同様にカルシウムイオン流入を促進することによってアセチルコリン放出を高めた。一方、β体は高親和性のコリン取込みを促進することによってアセチルコリンの合成量を増す作用を示した。その結果アセチルコリン放出を高めることがわかった。(3)シナプスの長期増強形成がガングリオシドで促進されるか否かについて従来結論が出されていなかった。長期増強の成立条件を改良してガングリオシドの効果を明瞭に検出することに成功した。長期増強形成閾値の刺激を用いた時と低カルシウムを用いた時に、ガングリオシドが長期増強形成を高めることが明らかにされた。これは、シアロ化合物がカルシウムチャネルを活性化する上述の結果と一致するものと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Inagaki N.,Goto H.,Ando S.et al.: "Spatial patterns of Ca signals define intracellular distribution of a signaling by Ca/calmodulin-dependent protein kinase II" J.Biol.Chem.272. 25195-25199 (1997)

  • [文献書誌] Tanaka Y.,Waki H.,Kon K.and Ando S.: "Gangliosides enhance KCL-induced Ca influx and acetylcholine release in brain synaptosomes"

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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