研究課題/領域番号 |
09480230
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
杉山 博之 九州大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20124224)
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研究分担者 |
加藤 明彦 九州大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80294875)
水上 令子 九州大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (00239302)
伊藤 功 九州大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20183741)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 脳 / 神経細胞 / 遺伝子発現 / 電気生理学 / 分子生物学 / 神経可塑性 |
研究概要 |
高等動物神経細胞の電気活動が、細胞の遺伝子発現等の代謝機能をどのように調節するかを解析することを目的とし、vesl遺伝子に焦点を絞り、この遺伝子の構造、発現調節の仕組み、機能等を探索した。この遺伝子は、ラット海馬において電気的な活動に依存して発現誘導される遺伝子として、我々(及び米国)のグループが見出したもので、本研究において次のような知見を得た。 1.この遺伝子には少なくとも3つの類縁遺伝子があり、そのうちvesl-1と2にはスプライス変異体がある。 2.電気活動に依存して発現誘導されるのは短型スプライス変異体Vesl-1Sであり、その他は全て構成的に発現しており、電気活動によって発現が誘導されることはない。 3.Vesl蛋白質は全て、代謝調節型グルタミン酸受容体とそのN末端側領域で結合する。 4.Vesl-1S以外のものは全て自己同士及び他と相互にC末端側半分の領域で結合し、この領域を持たないVesl-1Sは相互結合しない。 5.Vesl-1Sの発現量の調節には、プロテアソームによる分解が重要である。 6.Vesl-1Sは平常時には神経細胞全体に広く分布しているが、フォルボールエステル刺激を受けるとシナプス後膜部位に凝集し局在化してくる。 以上の知見からvesl遺伝子の機能について次のような仮説を提案するに至った。即ち、構成的に発現している長型Vesl蛋白質は代謝調節型グルタミン酸受容体と結合し、かつ相互に結合凝集することによって、受容体のクラスターを形成する。電気活動によって発現する短型Vesl-1Sは、長型Vesl蛋白質と競合して受容体に結合することによって受容体をクラスターから解放し、受容体の再配分を容易にし、結果としてシナプスの再編成を促進する形で機能する、との仮説である。
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