研究課題/領域番号 |
09480232
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
佐々木 實 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (10080003)
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研究分担者 |
多田 豊曠 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (20106230)
尾崎 康彦 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (50254280)
国松 己歳 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (70145746)
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キーワード | 脳虚血 / 脳神経細胞死 / カルパイン / カルパインインヒビター / 抗カルパイン抗体 / カルパスタチン / カルシウムinflux |
研究概要 |
これまでの研究結果から、虚血・低酸素による脳神経細胞の選択死の原因は神経細胞の核にμ-カルパイン前駆体が多く存在し、それによりカルパインが短時間のうちに活性化することによるものであるとする示唆を得た。平成10年度はその細胞死がアポトーシスによるものかネクローシスを主体にするものかを検討するとともに、カルパインに対し作用点の異なる阻害剤の相乗作用について検討した。 1. 低酸素性神経細胞死の識別:神経芽細胞腫株GOTOの低酸素培養による細胞死はTrypan blue exclusion testで判定し、アポトーシスによるDNAの断片化はladderの検出とin situ endolabelling法(TUNEL法)により検出した。30分〜1時間の低酸素条件でladderは形成されたが細胞死との割合に比べて弱く、その後の経時的増加が認められなかった。またTUNEL法ではアポトーシス陽性細胞は検出されたが全体の細胞死の20〜30%であった。これより細胞死の一部はアポトーシスであるが他の多くはネクローシスによるものと判定された。 2. カルパインインヒビター、Ca^<++>拮抗剤による相乗的抑制効果:低酸素下のカルパインによる細胞障害を証明する一手法として2種類の作用の異なる阻害剤効果を検討した。カルパインインヒビターIとIIによる抑制効果はいずれもdose dependentであり経時的に増加したが、抑制の最大限は30〜40%であった。一方、カルシウムブロッカー及びカルシウム拮抗剤ではそれぞれ10%、30%前後であった。そこでこれ等の併用効果を検索したところ、カルパインインヒビターとカルシウム拮抗剤との併用が最も有効で70〜80%の抑制効果が観察された。 以上の結果より低酸素下での細胞死の原因の一つは低酸素によるカルシウムの流入と、それによるカルパインの括性化が重要な役割を果たしていることが示された。
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