研究課題/領域番号 |
09480234
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
森 憲作 理化学研究所, ニューロン機能研究グループ, グループディレクター(研究職) (60008563)
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研究分担者 |
杉野 英彦 理化学研究所, 機能分子研究チーム, 研究員 (70270577)
長尾 伯 理化学研究所, 機能分子研究チーム, 研究員 (50281647)
吉原 良浩 理化学研究所, シナプス分子機構研究チーム, チームリーダー(研究 (20220717)
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キーワード | 嗅細胞 / 嗅上皮 / 嗅球 / OCAM / 匂いマップ / ゾーン |
研究概要 |
一昨年、私達は嗅細胞の軸索のサブセットに発現する新規の細胞接着分子OCAMをみいだし、OCAMを発現した嗅細胞軸索が、嗅球の腹外側部ゾーンの糸球へと選択的に投射することを報告した。今回、私達は、OCAM以外の細胞接着分子の中から嗅細胞軸索の特定のサブセットで発現する分子を探索し、2種類の分子をみいだした。このうちの1種類の分子を発現した嗅細胞軸索は嗅球の外側部と内側部の2つの領域内の糸球へと選択的に投射していた。 次に私達はこれらの細胞接着分子に対する抗体を用いて嗅球のOCAMゾーン内の糸球および新しくみつかった領域内の糸球を免疫組織化学的に染色し、嗅球の展開図上でのOCAMゾーンおよび新規領域の空間位置を決定した。この結果、個々の嗅球には2つの糸球体マップが存在し、それぞれ内側半球と外側半球に配置されることが示唆された。そこで、嗅球組織切片でのin situ hybridization組織化学を匂い受容体プローブを用いておこない、抗細胞接着分子を用いた免疫組織化学と比較した。この結果、細胞接着分子によるマップ(CAMマップ)と匂い受容体表現マップとの間に正確な対応があることが明らかになった。すなわち、(1)嗅球には2つの匂い受容体マップ(内側半球マップと外側半球マップ)が存在すること(2)それぞれのマップは少なくとも8つの小領域に別れていること(3)特定の小領域内の糸球では、匂い受容体の特定のサブセットが表現されていること(4)内側半球マップ内の8つの小領域は、外側半球マップ内の8つの小領域とほぼ鏡像位置に配置していることなどが判明した。
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