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1997 年度 実績報告書

ラット胎仔上丘における視覚入力のin vivo光学測定法による発生学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09480242
研究機関山口大学

研究代表者

中村 彰治  山口大学, 医学部, 教授 (80112051)

研究分担者 坂田 義行  山口大学, 医学部, 講師 (10034927)
小林 誠  山口大学, 医学部, 教授 (80225515)
キーワード上丘 / 胎仔 / 発達 / 電位感受性色素 / 光学的記録法 / in vivo / 活動電位 / TTX
研究概要

本年度は、上丘局所の電気刺激によって生じる上丘神経細胞の興奮の時間的・空間的変化について検討した。
妊娠17日から22日目のSDラット(10-14週令)をウレタン麻酔(1.1-1.3 g/kg,ip)し、気管ならびに大腿静脈にカニウレをあらかじめ留置した。母体ラットを仰臥位にし、下腹部ついで子宮壁を切開後、臍帯がつながった状態で胎仔を取り出した。胎仔を透明の塩化ビニール製の円筒に入れ、中村らの考案した胎仔固定装置に当部を装着し、歯科用セメントで固定した。実体顕微鏡下で胎仔の頭皮ならびに後頭骨を切開後、硬膜とくも膜を除き、上丘を露出した。膜電位感受性蛍光色素(RH795、1%)を用いて、上丘の染色(1時間)を行った。正立顕微鏡のステージにこの母仔ラットとともに固定装置をのせた後、膜電位光学測定システム(ARGUS-50/PDA)をセットした。上丘の前端にステンレス製の双極刺激電極を挿入した。電気刺激は、1msec幅の方形パルス10発を100msecの持続時間で与えた。刺激強度は、0.3,0.5,1mAの3段階で変えた。一回の刺激実験における上丘神経細胞の興奮性の変化は、同じ強度の刺激を16回繰り返し、その時の蛍光強度の変化を平均加算して求めた。
上丘の前端を電気刺激すると、刺激部位から上丘後方に向かう興奮の伝播が観察された。この興奮は、刺激の持続時間の100msecあるいはそれ以上続いた。上丘表面にTTX(3 μM)を添加すると、電気刺激による上丘での興奮はほとんど完全に消失した。刺激強度0.3mAと0.5mAのほうが興奮の広がる範囲が広かった。しかし、1mAの刺激では逆に興奮の広がりが小さくなっていた。これは、1mAの刺激では細胞が直接刺激された結果、陽極側の近傍の細胞で過分極が起こり興奮しにくくなったためと推測された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S.Nakamura: "Sensory response of the locus ceruleus : neonatal and adult studies." Advances in Pharmacology. Vol.42. 776-772 (1998)

  • [文献書誌] Y.Fujii: "Developmental changes in the electrical activity of locus coeruleus neurons during cortical spreading depression." Developmental Brain Research. Vol.104. 91-100 (1997)

  • [文献書誌] S.Arakawa: "Antidromic burst activity of locus coeruleus neurons during cortical spreading depression." Neuroscience. Vol.78 No.4. 1147-1158 (1997)

  • [文献書誌] S.Nishiike: "Neurons in rostral ventrolateral medulla mediate vestibular inhibition of locus coeruleus in rats." Neuroscience. Vol.77 No.1. 219-232 (1997)

  • [文献書誌] Y.Saiki: "Role of central ANG II receptors in stress-induced cardiovascular and hyperthermic responses in rats." American Journal of Physiology. Vol.272. R26-R33 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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