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1998 年度 実績報告書

ラット胎仔上丘における視覚入力のin vivo光学測定法による発生学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09480242
研究機関山口大学

研究代表者

中村 彰治  山口大学, 医学部, 教授 (80112051)

研究分担者 富士岡 隆  山口大学, 医学部, 助手 (50304473)
坂田 義行  山口大学, 医学部, 講師 (10034927)
小林 誠  山口大学, 医学部, 教授 (80225515)
キーワード発達 / 視覚系 / 上丘 / 膜電位光学測定 / シナプス電位 / グルタミン酸 / GABA
研究概要

ラット母体-胎仔連結標本を用いて胎仔上丘の電気活動の光学的測定を行った。光学的測定法では電位感受性蛍光色素を用いて上丘局所刺激による興奮性の変化を検討した。さらにこの実験では、グルタミン酸とGABA受容体の拮抗剤を用いて興奮性と抑制性シナプス電位の解析も行った。実験動物は妊娠ラット(Sprague-Dawley,三ヶ月令)を用いた。母ラット1匹あたり2-3匹の胎仔(胎生21-22日目)を実験に用いた。上丘吻側部を単発あるいは10発のトレインパルスで電気刺激すると、興奮性伝播と抑制反応を刺激部位から後方に向かって観察することができた。興奮反応は早い成分と遅い成分の二つに分けられた。興奮と抑制ともに刺激強度を上げるとその反応は増強した。興奮性反応は主として内側部において後方に伝播し、外側部方向への伝播は弱かった。一方、抑制反応は、外側部方向への伝播が明瞭であり強い刺激強度では刺激部位から後方外側に広範な伝播を示した。上丘局所刺激による上丘の興奮・抑制反応は、TTX(3μM)の上丘表面への添加によって完全に消失した。CNQX(100μM)は、局所刺激によって誘発される上丘の早い興奮性反応をほぼ完全に消失させた。AP-5(200μM)は、早い興奮反応を減弱することができなかったが、遅い興奮反応を消失させた。従って、胎仔上丘で生じる早い興奮性反応は主として非NMDA型受容体を介するものであると考えられる。一方、AP-5は、早い興奮反応には関与せず遅い興奮の発現に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。bicuculline(200μM)は、抑制反応を減弱するか興奮反応を増強する場合と、抑制反応を増強するか興奮反応を減弱する場合があった。従って、胎仔上丘において誘発される抑制は、GABAによる反応である可能性が強い。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Fujioka,T.: "The effects of prenatal stress on the development of hypothalamic paraventricular neurons in fetal rats." Neuroscience. (in press).

  • [文献書誌] Watanabe,T.: "Effects of targeted disruption of the mouse angiotensin II type 2 receptor gene on stress-induced hyperthermia." Journal of Physiology(London),. (in press).

  • [文献書誌] Sakata,Y.: "In vivo whole-cell recording from neurons of the superior colliculus in fetal rats." Dev.Brain Res.108. 255-262 (1998)

  • [文献書誌] Nakamura,S.: "Sensory response of the locus ceruleus : neonatal and adult studies." Advances in Pharmacology. 42. 772-776 (1998)

  • [文献書誌] Watanabe,T.: "Stress and brain angiotensin II receptors." Critical Reviews in Neurobiology. 12(4). 305-317 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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