研究分担者 |
西森 功 高知医科大学, 医学部, 助手 (30237747)
辻 厚至 浜松医科大学, 医学部, 助手 (60303559)
西川 哲 浜松医科大学, 医学部, 教務員 (50260584)
堀尾 文彦 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (20165591)
中村 二郎 名古屋大学, 医学部, 助教授 (40283444)
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研究概要 |
WBNラットは膵臓全域にわたる繊維化によりインスリン低下を来たし糖尿病を発症する。WBNラットの原因遺伝子を解明するため、糖尿病を起こさないDA,ACI,BNの3系統を相手に交雑群を作成し、糖尿病形質および膵臓病変について調べ、遺伝解析を行った。 1.低蛋白飼料はWBNおよびその交雑群の膵臓病変および糖尿病発症を促進させる効果があった。 2.DA系との間のBC群として(DAxWBN)xWBNとWBNx(DAxWBN)とを作り、膵臓病変を調べた結果、膵炎陽性率は前者では3ヶ月令で6.7%であったが、4ヶ月令で64%と急激に上昇し、6ヶ月令で90%、12ヶ月令で100%となった。また、後者では、更に発症時期が早くなり、4ケ月令で89%,6ケ月令で100%となった.WBNの遺伝因子が優性かあるいはDAの遺伝因子の作用が強いのか、このBC群は陽性率が高すぎて遺伝解析には適さないことが分かった。 3.ACI系,BN系,DA系とのF2交雑群を作成し、糖尿病症状と膵臓病変を調べた。膵炎陽性率は、4ヶ月令では、(ACIxWBN)F2では53.5%,(BNxWBN)F2では33.1%,(DAxWBN)F2では14.4%と、交配相手の遺伝因子が大きく作用していることが分かった。 4.WBNおよびその交雑群の膵炎陽性率は加齢に従って上昇する。しかし(BNxWBN)F2群の陽性率は4ヶ月令前後で比較的安定していたため、これを膵炎の遺伝解析の対象群とした。
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