研究課題/領域番号 |
09480246
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡部 勝 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (30089875)
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研究分担者 |
吉村 康秀 大阪大学, 微生物病研究所, 教務職員 (60263307)
田中 宏光 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (10263310)
蓬田 健太郎 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (90283803)
西宗 義武 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (80029793)
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キーワード | 遺伝子改変動物 / トランスジェニック動物 / 緑色蛍光蛋白質 / green fluorescent protein / 実験動物 / 凍結保存 |
研究概要 |
1.全身の細胞で発現される分子シャペロンcalnexinによく似た蛋白質であって、精巣内でのみ特異的に発現されるcalmeginを相同組換えにより、ノックアウトした遺伝子改変マウスは、全く健康上に問題はないが雄のみ不妊であった。この原因を詳しく検討するために、雄の精巣を詳しく検討したが何ら異常は認められなかった。精子数も正常に比べて低下しているということもなかった。交尾行動も正常で、子宮内に精子も認められた。そこで体外受精をおこない、詳細に受精の様子を観察し、受精のどのステップに問題があるのかを検討した。その結果、この遺伝子改変マウスからの精子は卵子の外層を形成する透明帯に全く結合能を有していないことを見出した。 2.このようなフェノタイプが真にcalmegin遺伝子の欠損によるものであるのか、calmegin遺伝子の近傍に存在する別の遺伝子が影響しているのかを知るために、ノックアウトマウスのフェノタイプをcalmeginのプロモーターにcalmeginの遺伝子を結合させたトランスジーンでレスキューすることを試みた。ノックアウトマウスのコロニーを増殖させて卵子を得、calmegin+/-の精子で体外受精し、calmegin-/-の受精卵をとった。数ラインのダブルトランスジェニックマウスが得られたが、そのうち、calmeginを発現しているものは3ラインのみであった。トランスジェニックでありながらcalmeginを発現しないものでは受性能が回復せず、calmeginを発現したものだけで受性能が回復することが観察された。 3.人においても、同様な症状をもつ不妊患者がいることから、人におけるcalmegin遺伝子の探索を行い、クローニングに成功した。不妊の診断、治療への道が開けて行くものと期待される。
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