• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

精子・卵子相互認識機構に関わる精子因子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09480246
研究機関大阪大学

研究代表者

岡部 勝  大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (30089875)

研究分担者 吉村 康秀  大阪大学, 微生物病研究所, 教務職員 (60263307)
田中 宏光  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (10263310)
蓬田 健太郎  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (90283803)
西宗 義武  大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (80029793)
キーワード遺伝子改変動物 / トランスジェニック動物 / 緑色蛍光蛋白質 / green fluorescent protein / 実験動物 / 凍結保存
研究概要

1.全身の細胞で発現される分子シャペロンcalnexinによく似た蛋白質であって、精巣内でのみ特異的に発現されるcalmeginを相同組換えにより、ノックアウトした遺伝子改変マウスは、全く健康上に問題はないが雄のみ不妊であった。この原因を詳しく検討するために、雄の精巣を詳しく検討したが何ら異常は認められなかった。精子数も正常に比べて低下しているということもなかった。交尾行動も正常で、子宮内に精子も認められた。そこで体外受精をおこない、詳細に受精の様子を観察し、受精のどのステップに問題があるのかを検討した。その結果、この遺伝子改変マウスからの精子は卵子の外層を形成する透明帯に全く結合能を有していないことを見出した。
2.このようなフェノタイプが真にcalmegin遺伝子の欠損によるものであるのか、calmegin遺伝子の近傍に存在する別の遺伝子が影響しているのかを知るために、ノックアウトマウスのフェノタイプをcalmeginのプロモーターにcalmeginの遺伝子を結合させたトランスジーンでレスキューすることを試みた。ノックアウトマウスのコロニーを増殖させて卵子を得、calmegin+/-の精子で体外受精し、calmegin-/-の受精卵をとった。数ラインのダブルトランスジェニックマウスが得られたが、そのうち、calmeginを発現しているものは3ラインのみであった。トランスジェニックでありながらcalmeginを発現しないものでは受性能が回復せず、calmeginを発現したものだけで受性能が回復することが観察された。
3.人においても、同様な症状をもつ不妊患者がいることから、人におけるcalmegin遺伝子の探索を行い、クローニングに成功した。不妊の診断、治療への道が開けて行くものと期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Okabe,M.et al.: "'Green mice'as a source of ubiquitous green cells" FEBS Lett. 407. 313-319 (1997)

  • [文献書誌] Tanaka et al.: "Cloning and characterization of the human Calmegin gene encoding putative testis-specific chaperone" GENE. 204. 159-63 (1997)

  • [文献書誌] Kojima et al.: "Cessation of spermatogenesis in juvenile spermatogonial depletion (jsd/jsd) mice" Int.J.Urol. 4. 500-507 (1997)

  • [文献書誌] Ikawa et al.: "The putative chaperone calmegin is required for sperm fertility." Nature. 387. 607-11 (1997)

  • [文献書誌] Tarutani et al.: "Tissue-specific knockout of the mouse Pig-a gene reveals important roles for GPI-anchored proteins in skin development" Proc Natl Acad Sci USA. 94. 7400-5 (1997)

  • [文献書誌] 伊川 正人, 岡部 勝: "緑色に光るトランスジェニックマウス-新規マーカーGFPの応用" 細胞工学. 16. 581-587 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi