研究課題/領域番号 |
09480251
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
戸川 達男 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (40013859)
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研究分担者 |
斉藤 浩一 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教務職員 (00205668)
大塚 公雄 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (00211798)
木村 裕一 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (60205002)
田村 俊世 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (10142259)
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キーワード | 熱物性値 / 熱浸透率 / 放射率 / サーモグラフィー / 皮膚血流 / 反応性充血 / レーザードプラ血流計 / 画像 |
研究概要 |
本研究は、従来1点でも測定が困難だった皮膚熱物性値を、非接触で画像計測を可能にし、その手法を血流分布などの検査手段として確立することを目的として進められ、以下のように、当初期待した成果を得た。 1. 計測装置の改良 装置は高速サーモグラフィーと内面温度制御可能なフードより成り、フード温度を室温から瞬時に約40℃上昇させ、その温度を約20s一定に保つ必要がある。結果として、コンデンサ放電制御回路と温度維持回路の改良により、約0.1sでの温度切換を実現し、1℃以内の誤差で温度維持が可能となった。 2. 熱物性値の画像計測 温度切換後の20s(改良前30s)の熱画像の連続とりこみにより、熱浸透率(熱伝導率、比熱、密度の積)および放射率の画像が得られ、画質が改良前に比べ著明に向上した。放射率についても計測精度が向上し、各画素における放射率補正による正確なサーモグラムが得られるようになった。 3. 皮膚の熱浸透率 血流遮断時に約1000Ws^<1/2>m^<-2>K^<-1>で、レーザードブラ血流計との比較により、皮膚血流が増加すると熱浸透率が増し、血流遮断後の反応性充血において著明に増加すること、などの結果を得た。また、健常者の各部皮膚の熱浸透率の標準値を得た。 4. 今後の展開 非接触で短時間に安全に検査ができ、皮膚血流分布が画像として得られることから、皮膚血流の検査法として有望であることが確認されたので、皮膚科などでの臨床使用を行う計画である。
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