研究課題/領域番号 |
09480251
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
戸川 達男 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (40013859)
|
研究分担者 |
斉藤 浩一 東京医科歯科大学, 教務職員 (00205668)
大塚 公雄 東京医科歯科大学, 助教授 (00211798)
木村 裕一 東京都・老人総合研, 究所, 主任研究員 (60205002)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
キーワード | サーモグラフィ / 熱物性値 / 皮膚 / 医用画像 / 皮膚血流 / 反応性充血 / 熱浸透率 / thermal inertia |
研究概要 |
本研究は、従来1点でも測定が困難であった皮膚の放射率及び熱浸透率を非接触で画像計測することを可能にし、血流分布などの検査に応用することを目標として、以下のように進められた。 1.計測装置の開発 : 環境放射温度を室温から20℃程度ステップ状に上昇させ、対象表面からの放射エネルギーを高速サーモカメラで連続計測し、対象物体表面の反射成分の変化から放射率を求め、また表面温度の変化の勾配から熱浸透率を求める。環境放射温度の制御には、大容量のコンデンサからの放電により、対象を覆うフード内面のヒーターの温度をステップ状に変化をさせる方法を採用した。 2.熱物性値の画像計測 : 温度切り替え前後の熱画像を連続して取得し、画素ごとに熱浸透率および放射率画像を算出してこれらの熱物性値の画像を得た。また、得られた放射率より、画素ごとに放射率補正を施した温度画像を得ることができた。 3.皮膚の熱浸透率の計測 : 皮膚の熱浸透率は、血流遮断時に約1000(W・s^l/2・m^-2・K^-1)であること、レーザードプラー血流計との比較により、皮膚血流が増加すると熱浸透率が増すこと、血流遮断後の反応性充血において熱浸透率が顕著に増加すること、などの知見を得た。また、健常者の各部皮膚の熱浸透率の標準値を得た。 4.実効放射温度計測法 : 放電式フードにおいては内部の温度分布が均一でなく、その温度変化パタンも一様ではなく、切り換え後の環境放射温度を正確に求めることが困難であることが分かった。また、フードは室温の影響を受けやすく、計測条件を厳密に規定する必要があった。これらの問題を解決するために、実効環境放射温度を計測する方法を考案した。これにより、より正確な熱物性値画像を簡便なシステムで計測可能なことが明らかになった。
|