研究課題/領域番号 |
09480259
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
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研究分担者 |
辻岡 克彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30163801)
矢田 豊隆 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00210279)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
猿田 亨男 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (70051571)
後藤 真己 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 教授 (50148699)
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キーワード | 心内膜側細動脈 / 冠動脈slosh現象 / 高速度CCD生体顕微鏡 / niobium microsphere / 血管拍動性 |
研究概要 |
[目的]本年度は心内膜側血流の特徴であるslosh現象(血管内における無駄な血流の往復現象)が、内皮依存性拡張薬(アセチルコリン)、内皮非依存性拡張薬(パパベリン)投与前後でどのように変化するかを針状レンズCCD生体顕微鏡による直接的血管径の観察と20MHz80channelドプラ血流計による心筋内血管(中隔枝)の血流パターンを比較し、それを心外膜側血流と比較して高血圧肥大心における心内膜側心筋の易虚血性の成因解明のため評価した。 [方法]麻酔雑種成犬の両側腎動脈に狭窄を作成し、4週間、または12週間高血圧(を維持した。正常心と4週後の高血圧心および12週後の高血圧心のアセチルコリン(1.0μg/kg)、パパベリン(1mg)の冠動脈内投与に対する心内外膜側細動脈の血管拡張反応をCCD生体顕微鏡で観測し、20MHz80channelドプラ血流計による心筋内血管(中隔枝)の血流パターンを比較した。 [結果]アセチルコリンに対する心内膜側細動脈の血管拡張反応は高血圧群の4週、12週ともに正常心に比べ減弱し、心外膜側細動脈では、12週でのみ反応性の低下を認めた。パパベリンに対する血管拡張反応は、12週高血圧群の心内膜側細動脈でのみ正常心に比べ減弱した(p<0.01)。拡張期から収縮期にかけての径変化率(血管拍動性)は、血管拡張反応の低下と同様に低下した。アセチルコリンとパパベリンに対する20MHz80channelドプラ血流計による心筋内血管(中隔枝)の血流パターンを調べたところ、パパベリンは拡張早期の血液流入を改善させたが、アセチルコリンでは改善されず、むしろ遅延した。 [結語]冠血管拡張反応および心筋内血流は内皮依存性と非依存性の間で異なり、メカニカルストレスに対する直接的および間接的vascular remodelingが経時的に関与していることが窺われた。
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