研究課題/領域番号 |
09490013
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
谷口 晋吉 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50114955)
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研究分担者 |
佐藤 宏 一橋大学, 経済学研究科, 教授 (50211280)
江夏 由樹 一橋大学, 経済学研究科, 教授 (10194002)
田近 栄治 一橋大学, 経済学研究科, 教授 (10179723)
加藤 博 一橋大学, 経済学研究科, 教授 (10134636)
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キーワード | 経済開発 / 伝統社会 / 社会秩序 / 社会制度 / 労働移動 / 経済変動 / 経済政策 |
研究概要 |
本年は、プロジェクトの2年目であり、4回の国内研究会およびカイロ・アメリカ大学において海外研究者による集中レビューの場を持った。各研究分担者は、本プロジェクトの2本の柱である(A)アジアの伝統社会の社会秩序のあり方、(B)冷戦構造崩壊後のアジアに於ける社会主義経済体制の変革、に関わる研究を精力的に行い、最終報告の作成に向けて更に問題認識を深めた。(A)に関わるものとしては、谷口は、18-20世紀東部インド・ベンガル地方の社会秩序を、領主・地主制、ヒンドゥ、ムスリムその他の宗教的結合、複合的な民族的・部族的構成の地帯構造などの視角から追究し、英語論文2本(内、1本は英文草稿)を書き、加藤は、論文3本(内、1本は英文草稿)と単著一冊を著し、ある村の村長家系と村の有力者家系の土地争いを素材として、イスラム世界(特に、エジプト)の社会秩序における「血の紐帯」の重要性を指摘し、江夏は、2本の論文(内、1本は英文草稿)で、辛亥革命後の満州に於ける税制と土地所有制度の展開が満州の独特な社会構造に強く規定されていた事を明らかにしている。(B)に関わるものとしては、佐藤は、論文5本(内、1本は英文草稿)を書き、社会主義国中国において、農村労働者が彼らの社会的ネットワークを活かしていかに都市工業部門に雇用機会を見つけ、また、その環境に馴化していくかを現地調査によるデータにより描き出し、田近は、昨年のヴェトナム地方税制研究に続き、本年は、未発表の英文論文で現代日本の税制の問題点を探り、経済発展と税制の関連を究明すべく比較研究を試みている。この様に、プロジェクトの2年目は、模索状態であった初年度から、各研究分担者がテーマを絞りこみ、最終報告に向けて、着実に前進したということができるであろう。
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