研究概要 |
(1) リニアモータ 人工心臓のキーコンポーネントであるリニアモータ(No.AHA98-B)を神鋼電機との共同研究によって設計,製作した。このリニアモータは,可動子,固定子とも高い飽和磁束密度をもつバーメンジュールで構成されており,かつ小型リニアセンサの装着が可能な構造とした。リニアモータの体積は0.23L,質量1.6kgであり,入力6.5Wで静推力は105N発生することのできる高推力モータである。 (2) リニアセンサ 1片の大きさ3mm×40μmの磁気抵抗素子1対を用いた小型リニアセンサを三協精機との共同研究に基づいて試作完了した。リニアセンサの測定範囲は30mmであり,分解能0.2mmであった。 (3) リニアサーボモータをもつ人工心臓 上記のリニアモータに小型リニアセンサを組み込んだ人工心臓用リニアサーボモータを完成させた。このリニアサーボモータはストローク20mm,可動子速度100-150mm/sすなわち拍動数80-130bpmの範囲において,動推力は90-70Nを保持し,血液ポンプの駆動に充分な値であった。このリニアサーボモータの動推力は従来のフィードバックなしのリニアモータよりも50-30%向上させることができた。 本研究の成果に基づいて,従来のリニアモータ式人工心臓よりも高性能な人工心臓を完成させることができた。
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