研究課題/領域番号 |
09490017
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山口 靖 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80283472)
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研究分担者 |
平原 靖大 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30252224)
高野 雅夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90262849)
榎並 正樹 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20168793)
小川 克郎 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40262844)
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キーワード | リモートセンシング / FTIR / 分光スペクトル / ケイ酸塩鉱物 / 反射スペクトル / 放射スペクトル / 鉱物識別 / スペクトル指標 |
研究概要 |
今年度新たに購入したフーリエ変換赤外分光器(FTIR)を用いて、代表的なケイ酸塩鉱物試料についての分光スペクトルデータを取得した。まず固体試料についての透過スペクトルと2方向性反射スペクトルを測定し、同じ試料について別の測定装置で取得した放射スペクトルおよび半球反射スペクトルとの比較を行った。その結果、2方向性反射スペクトルと半球反射スペクトルのパターンは互いに良く類似していること、これら2種類の放射スペクトルと反射スペクトルとの間には明白な逆相関が認められ、透過のない場合はこれらのスペクトル間でキルヒホッフの法則が成立していることを確認した。鉱物の粉末試料については、臭化カリウムによる希釈法で測定を行ったが、クベルカ・ムンク補正を行っても固体の放射スペクトルとの関連性は弱いことがわかった。また、2方向性反射スペクトル測定における鉱物粉末試料の粒度や混合率の影響の検討を行い、最適な測定条件を明らかにすることができた。一方、現有の画像処理システムを用いて、地球および惑星の代表的なリモートセンシングデータの解析手法の検討を行った。すなわち、実験室で得た代表的な鉱物の分光特性データに基づき、鉱物鑑識を行うためのスペクトル指標を開発し、地球観測センサASTERのシミュレーションデータに対して適用したところ良好な結果を得た。しかし、空間分解能が約15〜90mと粗いため、ミクロおよびマクロなスケールでのな鉱物の混合の効果を考慮しなければならず、この点は今後の検討課題である。今後は、得られた分光特性と組成との間の理論的考察、鉱物混合試料のスペクトル測定とモデル化などを行い、惑星物質の分光特性についての組成、粒度、混合、観測スケールなどの効果を取りまとめる予定である。
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