研究課題/領域番号 |
09490017
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山口 靖 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80283472)
|
研究分担者 |
平原 靖大 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30252224)
高野 雅夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90262849)
榎並 正樹 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20168793)
小川 克郎 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40262844)
|
キーワード | リモートセンシング / FT-IR / 赤外スペクトル / ケイ酸塩鉱物 / 反射スペクトル / 吸収スペクトル / 鉱物識別 / スペクトル指標 |
研究概要 |
昨年度に購入したフーリエ変換赤外分光器(FTIR)を用いて、愛知県豊田市北部の河川堆積物計70試料の500〜6000cm^<-1>帯の拡散反射スペクトルを取得した。その結果、石英に特徴的な波数800cm^<-1>(Si-O伸縮振動)の鋭い吸収が堆積岩地域に集中して見い出され、主要鉱物組成において石英が卓越することと調和的な傾向にあることがわかった。また、SiO-H伸縮振動に対応する3700cm^<-1>附近の吸収も堆積岩地域においてより顕著であり、粘土鉱物の生成、もしくは雲母の存在度がこの地域において高いことを反映していると考えられる。さらに、3400cm^<-1>附近の有機物(C-H伸縮振動)の吸収が多く認められ、試料採取地域の腐植土壌の形成状況を反映している可能性があることがわかった。 一方、現有のFTIRにステップスキャンオプションを搭載し、化学的に不安定な星間物質の吸収および発光スペクトルの取得が可能な実験装置を開発しその性能を評価した。原始太陽系星雲で起こる、星間塵の非平衡な凝縮や蒸発の素過程をモニターするため、現有のマイクロ波熔融装置とこのFTIRとを結合させた。その結果、反応のその場観察に高分解能赤外分光法が十分な感度をもって応用できることが確認できた。 さらに、現有の画像処理システムを用いて、月探査衛星クレメンタインによる月表面の分光画像データの解析を行った。実験室で得られている代表的な鉱物の分光特性にたいして、宇宙風化の影響を適切に評価してTiおよびFeの含有量を得る新しいアルゴリズムを検討し適用した。その結果、主としてSerenitatis地域の地質とその形成史に関する新たな知見を得ることができた。
|