研究課題/領域番号 |
09490023
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
柳田 祥三 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10029126)
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研究分担者 |
北村 隆之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40294037)
村越 敬 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (40241301)
和田 雄二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40182985)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | フッ素 / 光触媒 / 酸化反応 / 発光 / 希土類 / 表面修飾 / 半導体 / ナノ結晶 |
研究概要 |
我々は、有機分子を光増感剤に用いた光触媒反応系の開発を進めるなかで、フッ素系芳香族分子の励起状態を酸化的に消光して生じるカチオンラジカル種の強い酸化力に着目し、貴金属コロイドを担持させたベルフルオロポリパラフェニレンを紫外光励起すると、水が水素とヒトロキシルラジカルに分解することを見出している。さらに、発光中心となる分子種や金属イオン種がフッ素系分子集合系の環境下にあるとき、その発光が顕著に増加することに着目した。この発光現象は、炭素-フッ素結合の伸縮振動エネルギーが低いために、発光中心の励起状態から振動モードのエネルギー移動失活が抑制される結果である。我々はこの考察を基に、これまで困難視されていたネオジムイオン(Nd(III))の溶液内発光を試み、アセチルアセトンのC-H結合を低伸縮振動のC-F結合と炭素-重水素(C-D)結合に置き換えたヘキサフルオロアセチルアセトンのNd(III)錯体が顕著に発光することを見出している。 本基礎研究課題では、フッ素系有機分子の電子構造と自己組織化能を明らかにしつつ、フッ素系分子を組み込むことによる新規な量子的構造の創出を目的とし、以下の課題の研究を行った。1)フッ素系芳香族分子の光励起時おける高い酸化電位に着目し、「光合成機能の人工化」を念頭に置いた人工的光合成系IIの構築、即ちフッ素化芳香族化合物を電子移動光増感剤(光触媒)に用いる水分子の酸化を行った。2)含フッ素配位子を用いた希土類錯体の強発光体の開発、解析および応用を行った。3)含フッ素化合物により金属硫化物ナノ粒子の表面修飾を行い、その安定化と種々の溶媒との相溶性制御、さらに表面状態制御が可能であることを示した。ここで得られた成果は、含フッ素有機分子によって組織化した新規発光材料の開発は新しい機能材料開発のコンセブト作りに寄与する。
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