研究課題/領域番号 |
09490038
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
清水 裕彦 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 研究員 (50249900)
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研究分担者 |
高田 進 埼玉大学, 工学部, 教授 (80282424)
前畑 京介 九州大学, 工学部, 助教授 (30190317)
石橋 健二 九州大学, 工学部, 教授 (00159766)
加藤 博 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 先任技師(研究職)
松岡 勝 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 主任研究員 (30013668)
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キーワード | 超伝導トンネル接合素子 / 光検出器 / 低温計測 |
研究概要 |
本研究は超伝導トンネル接合素子の光子、分子線に対する応答を研究し、実用型検出器まで発展させるために必要な問題点を明らかにすることを目的とする。単一光子分光機能や信号雑音比に優れた分子線検出などが当面想定される応用である。 可視光の信号にも対応できるよう前置増幅器の開発を行い、低温動作の電荷増幅型前置増幅器と超伝導量子干渉素子を用いた電流増幅型前置増幅器の開発を行った。超伝導量子干渉素子の基本特性の測定、磁気遮弊内の残留磁束の影響は解決し、同素子は既に低温装置に組み込みが完了した。実際に超伝導トンネル接合素子と接続した状況での動作研究が改良段階に入っている。また素子の素材を単純なニオブ接合からアルミニウムによる準粒子トラップ層を導入したNb/Al/AlO_x/Al/Nb型の素子の試作を開始し、X線による信号の観測に成功した。Nb/Al/AlO_x/Al/Nb型の素子のエネルギー分解能は常温の前置増幅器を用いた結果では5.9keVのX線に対して100eV程度以下で、安定した性能を示している。さらに素子構造の改良を行い、前年度開発済みの可視光導入可能な冷却システムによって冷却し、実際に可視光信号を検出する研究を開始する。 分子線検出では、可視光やX線の場合と異なり、冷却装置に熱輻射シールドを置く事は困難である。そこで、ウィンドウのない冷却システムの開発に着手した。来年度の早い時期に冷却ができるものと期待しており、これによって分子線の検出が始められる。
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