研究課題/領域番号 |
09551004
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 泰 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60114708)
|
研究分担者 |
松原 望 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20000185)
岸野 洋久 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (00141987)
丸山 真人 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40209705)
|
キーワード | 地域社会 / まちづくり / 政策評価 |
研究概要 |
本研究の目的は、90年代に入って、大きく変容し多様化した、豊かさをめぐる地域間葛藤と価値変容の様相を明らかにすることにある。都市・農山村を含む全国の有力な「まちづくり」の試みを比較研究し、それぞれの手法の戦略の特質と、その過程・効果を政治学、経済学、社会学の手法から明らかにしつつある。 今年度は、昨年度からの、東京都目黒区、長野県栄村、熊本県小国町の比較研究を引き続きおこなったほか、静岡県掛川市と、兵庫県神戸市や事例調査に新たに着手した。静岡県掛川市については、実績ある 「生涯学習まちづくり条例」のいくつかの事業についてヒヤリングをおこない、土地基盤整備事業との関連などを調査した。 兵庫県神戸市は、阪神・淡路大震災の後4年を経過したが、市街地再開発事業や区画整理事業は、地域によっておおきなの進捗の違いがある。こうした観点から、長田、真野、琵琶という3つの地域をえらび、地域社会の構造や活動について、震災前の時点にさかのぼって明らかにした。長田についてはアジアタウン構想とケミカル産業の再生、真野については共同建て替え事業、琵琶町については1・2丁目の区画整理事業を取り上げた。 特に、琵琶町では、区画整理事業という大規模は都市計画と、地元住民の組織した「住民復興協議会」の活動、さらに、震災以降それぞれの世帯がおこなった生活再建の営みの相互連関を明らかにすることを目的として、ヒヤリングとアンケート調査を繰り返しおこない、公助・共助・自助、行政と地域社会と個人(世帯)の関連の現代的な問題を、「土地」「住宅」「まち」といった自明とされる観念の矛盾にまでさかのぼって明らかにし、その中での共同化、地域資源の組織化のあり方について研究を深めた。
|