研究課題/領域番号 |
09551010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 天理大学 |
研究代表者 |
置田 雅昭 天理大学, 文学部, 教授 (50248176)
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研究分担者 |
桑原 久男 天理大学, 文学部, 講師 (00234633)
DEAN Goodma 奈良国立文化財研究所, 客員研究員
WALTER Edwa 天理大学, 国際文化学部, 教授 (70258185)
西村 康 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 室長 (80000488)
金関 恕 天理大学, 名誉教授 (90068685)
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キーワード | レーダー探査 / 電気探査 / 地下式横穴墓 / 古墳時代 / 宮崎県 / 縦坑 / 墓室 / 石蓋 |
研究概要 |
宮崎県西諸県郡高原町日守地下式横穴墓群で地形測量、電気探査、レーダー探査を行った。この横穴墓群は地上に構築物(墳丘)を持たない、南九州独特の墓である。1979・80年に土取りのため偶然発見され、いずれも緊急発掘の後に破壊された。1981年には宮崎県教育委員会はこれの隣接地で遺跡の範囲確認のための試掘調査を行い、9基の縦坑を確認したたが、保存の観点から墓室の調査は行わずに埋め戻した。このため、墓室の位置はほとんど不明の状態であった。 レーダー探査は試掘調査の行われた地域を第1調査区とし、さらに20メートル離れた丘陵斜面地を第2調査区として実施した。第1調査区では少なくとも12箇所で墓室と推定される異常応答が認められた。このうち、8基は試掘した縦坑と対応し、1基の縦坑の周辺には異常応答が認められるなかった。なお試掘のおよばなかった範囲では4箇所の墓室と推定できる異常応答があるから、総数12基の地下式横穴墓の存在が確実視される。 第2調査区は試掘調査が行われていないが、この地域では墓室と推定できるような異常応答が認められず、墓域がこの地域にはおよんでいなかったと推定できる。 電気探査は第一地調査区で行っただけである。現在見られる平坦な地形も、深い部分では中央部が高く、周囲に緩やかの傾斜することが知られた。この結果はレーダー探査でもとらえている。 今回のレーダー探査では400と700メガサイクルのアンテナを併用した。また原則として50cm間隔で探査し、部分的には25cm間隔でも行った。700メガでは墓室が本来の形に近い方形に現れること、25cm間隔の探査では50cm間隔では見えない異常をとらえることが出来た。また、天井の落下、石蓋を推定される応答が見られた。こうした点は今年度の探査研究実践の新しい成果である。
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