研究課題/領域番号 |
09551012
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研究機関 | 名古屋学院大学 |
研究代表者 |
増田 喜治 名古屋学院大学, 経済学部, 助教授 (90173757)
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研究分担者 |
今村 薫 名古屋学院大学, 経済学部, 講師 (40288444)
城 哲哉 名古屋学院大学, 経済学部, 助教授 (20187595)
山本 親 名古屋学院大学, 経済学部, 教授 (40125109)
清水 克正 名古屋学院大学, 外国語学部, 教授 (10083792)
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キーワード | 2次元動画像解析 / 音声分析 / 軌跡 / 速度 / アップビート / 頭と手の動き / ダウンビート |
研究概要 |
平成9年度に開発された音声同期型2次元動画像解析システムにおいて、音声と動画に200msから300msのずれが生じていることが明らかとなった。そこで、研究グループでは、ずれが存在している状態では今後のデータに意味をなさないと判断し、時間をかけて音声・動画像 同時表示ソフトのプログラムを追加してもらうように、インタークエスト社に依頼した。この同時表示ソフトのプログラム化に半年という予想以上の時間がかかり、実質的な実験の実施が大幅に遅れることとなった。 しかし、身体運動を伴った音楽療法と言語療法は知的障害者のクライアントを中心として着実に進められた。特に楽器演奏を行なった後は楽器演奏の前と比較して、言語発話が明瞭となり、手の運動速度に顕著な差(p<.0001)が認められた。又、知的障害のレベルに応じて、発話に伴う手の運動リズムにある一定のパターンが存在し、その運動リズムと言語リズムに相関性があるのではないかとの仮説を構築し、検証への準備が進んだ。 一方、健常な20名の日本人とアメリカ人被験者に対して発話と手の運動の関係を検証する実験が行われた。日本人被験者はダウンビート系(手の下方向への運動が上方向への運動よりも速い)でアメリカ人被験者はアップビート系(手の上方向への運動が下方向への運動よりも速い)であるとの仮説を立て検証行なったが、証明は行われなかった。日本人話者は発話に伴う手の運動の加速度が最大値に達した後に発話が開始される傾向にあり、逆にアメリカ人話者は、手の運動の加速度が最大値となる以前に発話が開始される傾向にあることが観察できた。これに関しては、来年度も継続して検証される予定である。 プログラム調整の為に研究グループで行なう共同実験には限界があったが、来年度への準備としてタッピングとハンドムーブメントの違いから生じる音声と運動の比較研究ならびにポルトガル語話者が日本語とポルトガル語を発話した際に生じる音声と運動の関連を研究するための準備が行なわれた。
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