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1999 年度 実績報告書

アジア移行諸国の経済構造と経済改革に関する国際比較研究-東アジア・ラ米の経験・教訓と日本の支援の観点から-

研究課題

研究課題/領域番号 09553001
研究機関立命館大学

研究代表者

松野 周治  立命館大学, 経済学部, 教授 (10128457)

研究分担者 米倉 昭夫  近畿大学, 商経学部, 助教授 (80088111)
田口 信夫  長崎大学, 経済学部, 教授 (80039461)
藤田 和子  宇都宮大学, 国際学部, 教授 (80209048)
田中 祐二  立命館大学, 経済学部, 教授 (40217089)
茶谷 淳一  名古屋短期大学, 教養科, 助教授 (30236822)
キーワードアジア移行経済 / アジア通貨・経済危機 / 中国 / ベトナム / ミャンマー / ASEAN / NIES / 新宮沢構想
研究概要

今年度の研究実績は、本年を含む3ヵ年の研究を以下のようにまとめたことである。
1)アジア通貨・経済危機の原因とその処方箋に関して。アジア危機が始まった当初はもっぱら東アジアに特有な「構造的問題」にその原因を求める見解が強かった。そうした見解は十分に理解できるが、「国内」要因のみならず、短期の国際資本移動という「国際」要因がそれと並び、場合によってはそれ以上の役割を果たしたことを明らかにした。
2)アジア危機が発生しまずその「洗礼」を受けた、ASEAN諸国とアジアNIESとの国際比較研究を行った。同じく「伝染」効果が働いていたものの、例えば、ASEAN諸国の中のタイとマレーシアとでは前者がIMFの処方箋を受け入れるのと180度異なる「資本移動規制」を後者が採用し、また同じアジアNIESの範略に属するものの深刻な影響を被った韓国と軽微の内に回復の道を模索した台湾との比較研究を行なった。
3)アジア移行諸国に対してアジア危機が及ぼしたインパクトに関して。アジア危機は、アジア移行諸国の市場経済化に伴う問題とと困難を増幅している。その点に関しては同様の影響を受けたものの、例えば1986年のドイモイ以来積極的に市場経済化を進めてきたベトナムと、89年以降軍事攻権下にはあるもののASEAN諸国を中心として外資を受け入れ一定の市場経済化への道を歩んできたミャンマー、改革と対外開放を模索している中でアジア危機に遭遇した北朝鮮とでは大きな違いが生まれ、政策的な対応も異なってきていることが明らかになった。
4)アジア危機の展開を通じて、日本の果たすべき役害が大きくかつ鮮明になってきたことを示すことができた。民間資本のアジアからの撤退とその後の不振はみられるものの、それをカバーする公的資本の役割は大きく、この点を「新宮沢構想」を軸にして検討を加えた。また、アジアにおける地域経済統合の積極的意義についても明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 茶谷淳一: "現代日本の経済援助に関する覚え書き"名古屋短期大学研究紀要. 38. (2000)

  • [文献書誌] 西口清勝・西沢信善 編: "21世紀アジア経済論-危機からのアジア経済再生と日本の役割-"ミネルヴァ書房. (2000)

  • [文献書誌] 北原淳・西口清勝・藤田和子・米倉昭夫: "東南アジアの経済"世界思想社. 281 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2014-07-08  

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