研究課題/領域番号 |
09554006
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
常田 佐久 国立天文台, 太陽物理学研究系, 教授 (50188603)
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研究分担者 |
井上 正夫 三菱電機, 先端技術研究所, 主任研究員
熊谷 收可 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助手 (50161691)
清水 敏文 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助手 (60311180)
一本 潔 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助教授 (70193456)
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キーワード | 宇宙望遠鏡 / 可動鏡 / チップ・チルトミラー / 太陽コロナ / ロケット実験 / 画像安定 / 姿勢制御 / X線望遠鏡 |
研究概要 |
本開発研究は、観測ロケットや衛星の姿勢変動を補償するための可動鏡(Tip/tilt mirror)の設計・試作を行ない、機構・駆動コンセプトの確立、宇宙で使用するための各種評価試験を行なうことを目的としている。平成9年度には、観測ロケット搭載の2軸可動鏡(Tip/tilt mirror)の開発・製作・飛翔実験を行なった。平成10年度は、飛翔データーの詳細解析を行ない、所期の性能が出ていることを確認し、結果を論文にまとめた。 さらに、これをもとに太陽観測衛星に搭載する可動鏡および光学センサーとしてcorrelation trackerの概念設計を行なった。宇宙望遠鏡では、衛星の姿勢安定度は、望遠鏡の空間分解能を十分上まわっている必要があるが、望遠鏡の空間分解能が1秒角以下になると、姿勢制御による画像の安定化が困難となってくる。Correlation trackerは、CCDにより高速で(〜300フレーム/秒)観測対象を撮像し、像の移動から衛星の姿勢変動を求める光学センサーである。本研究では、太陽の粒状斑を用いれば、0.01秒角程度の精度で衛星の姿勢ゆらぎを高速検出できることを、数値シミュレーションにより明らかにした。これと平成9年度に開発に目処をつけた可動鏡を組み合わせることにより、0.01秒角程度の高空間分解能の宇宙望遠鏡に十分対応できることを明らかにした。 米国ではハッブル宇宙望遠鏡が輝かしい成果を上げているが、わが国でのこの方面の取り組みは遅れていた。本研究により、わが国において超高空間分解能の宇宙望遠鏡を実現するための要素技術の一つに目処をつけることができた。
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