研究分担者 |
高橋 俊行 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50281960)
田村 裕和 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10192642)
前田 和茂 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20125652)
佐々木 修 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (30178636)
藤井 優 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30302079)
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研究概要 |
本研究の目的はこれまでで最小のワイヤー間隔を持つ多芯型ワイヤー・プロポーショナル・チェンバー・システムを開発し,加速器等における大強度粒子ビームの位置情報を可視化する装置の実用化を図ることにある。こうした要請に応える位置検出器として本研究では,これまでの当グループが開発した2.5mmドリフトチェンバーの実績に基づき,0.5mm多芯ワイヤー・チェンバー・システムの設計,製作を行った。0.5mmチェンバーの位置分解能は2.5mmドリフトチェンバーがもつ位置分解能を上回る。さらに,一ワイヤ当たりの計数率は1/10となるため一桁高いビーム強度に対しても高精度位置測定が可能となる。製作された0.5mmワイヤチェンバーの性能がAr-Isobutaneをベースとしたガスを用いて行われ,いわゆるMagic gasでは100%の検出効率を得た。十分実用に耐えるチェンバーが完成したことになる。また,これまで使用されてきた16ch前置増幅器に対して2倍の集積度をもつ32ch前置増幅器の回路設計開発も同時に進め,その性能を調べ,十分に実用となる高集積度読み出し回路システムを完成した。これらの結果により今後コンパクトなガス検出器システムを構築することが可能となった。さらに,0.5mmシリコンストリップ検出器の開発も行い,物質量を許容できる条件下で使用できるさらにコンパクトな粒子ビーム可視化装置の実用化にも成功した。
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