研究課題/領域番号 |
09554011
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
素粒子・核・宇宙線
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研究機関 | 広島大学 (1998-1999) 京都大学 (1997) |
研究代表者 |
岡本 宏巳 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (40211809)
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研究分担者 |
小方 厚 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (60023727)
生出 勝宣 高エネルギー加速器研究機構, 教授 (50150008)
井上 信 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90028176)
高橋 徹 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (50253050)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | レーザー冷却 / ビーム蓄積リング / クリスタルビーム / 結合高周波空胴 / テーパー冷却 |
研究概要 |
レーザー冷却法は、蓄積リング中を周回する高速イオンビームに対して適用された場合、一次元的な有効性しかもたないと考えられている。本研究はこの難点を克服し、レーザー冷却力を三次元化する実際的方法を確立する目的で、平成9年度から11年度までの三年間にわたって行われた。この研究期間中に得られた主な成果は以下の通りである: 1.粒子追跡コード"SAD"および分子動力学コード"SOLID"による数値実験を行い、"共鳴結合法"の適用によってレーザー冷却力の三次元化が可能であることを示した。 2.結合高周波空洞の設計を行い、そのモデルを試作した。 3.イオンビームの極低温化を実現するためには、蓄積リングのラティスパラメータが一定の条件を満足していなければならないことを示した。具体的には、ラティス周期構造当たりのベータトロン振動位相の進みが127度よりも小さい必要のあることが判明した。 4.上の条件が満足されている場合、共鳴結合法により高速イオンビームの結晶化が実現可能であることを示した。また、結晶化の実現に最低限必要な冷却用レーザーのパワーを推定した。 5.ラティスの含む磁場誤差と加熱硬化との関係について解析し、許容誤差の上限値を求めた。 6.結晶化したビーム(クリスタルビーム)を安定に維持するためには、最終的に"テーパー化された"散逸力が必要となることを指摘した。 7.テーパー散逸力を実現するための具体的スキームとして"多重レーザー冷却法"を考案するとともに、この方法により実際にクリスタルビームの生成が可能であることを数値実験的に証明した。
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