研究分担者 |
奥野 祥二 神奈川大学, 工学部, 助手 (90281451)
佐々木 太良 神奈川大学, 工学部, 助手 (30271365)
田村 忠久 神奈川大学, 工学部, 助手 (90271361)
吉田 賢二 神奈川大学, 工学部, 助手 (90260984)
日比野 欣也 神奈川大学, 工学部, 専任講師 (80260991)
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研究概要 |
2a型高純度ダイヤモンドに対してアルミ電極を真空蒸着によって付けることでショットキーバリアー(SB)が形成され、放射線に有感な空乏層を作ることができる。しかし、向かいあっている面はオーミックコンタクト(OC:抵抗接触)にならなければフェルミ準位がダイヤ内部でゆがむことで発生したキャリアが溜り、出力波高値が時間と共に減少するという、いわゆるポーラリゼーション効果が起こると考えられる。これに対して(1)OC面に水素終端処理を施した後Ti/Pt電極を付ける方法、(2)CVDによるボロン(B)ドープのホモエピタキシャル層(エピ層)を0.2μmt程度の薄さに付ける方法を試みた。特に(2)の方法ではかなり良好な順方向特性が得られ、OCの製作が良好に行なわれつつある。しかしα線を入射させてみたところ依然としてポーラリゼーション効果がOC面のみで観測された。また、この検出器に放射線医学総合研究所(HIMAC)で数100MeV/nのエネルギーを持ったC,Ne,Si,Ar重粒子を入射させてみたところ、逆にこの効果は観測されず、簡単な阻止能の計算に一致した。これらの結果はポーラリゼーション効果がOC面近傍だけに働いているということを意味しており、ダイヤ全体に含まれている不純物によるトラップが原因ではない、とも考えられるだろう。 現在、OC電極として付けているエピ層のB濃度はかなり薄く、P_+状態になっていないことで、まだまだOC電極として不完全であることが考えられ、濃度を増すと共にこのエピ層に付けるTi,Au,Pt等の金属電極を検討している。また、2a型ダイヤとエピ層の相性が悪いことも考えられることから、故意にBをドープして完全にP型半導体となっている2b型ダイヤについて製作を試みている。
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