研究課題/領域番号 |
09554022
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 卓司 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (40217857)
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研究分担者 |
増田 悦久 郵政省通総研, 観測所長(研究職)
山本 衛 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (20210560)
津田 敏隆 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (30115886)
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キーワード | 音波電波併用レーダー / レーダーリモートセンシング / 対流圏・成層圏温度観測 / 対流圏界面 / MSTレーダー技術 / 湿潤大気 / メソ気象 / 大気安定度 |
研究概要 |
本研究では、これまでに開発した大出力音波発射装置をMUレーダーに付設し、対流圏・下部成層圏の温度プロファイルを定常的にかつ高精度に測定できる「RASS大気温度計測システム」を開発し、標準的な気象観測装置として実用化することを目的としている。 本年度は、MUレーダー観測棟内のでレーダーデータ処理装置に直結されてレイトレーシングを行い、音波発射装置を制御するRASS制御用PCから、アンテナ面内の高出力音波発射装置を高速かつ安定に制御するための制御システムを開発した。また、これまでの有線ケーブルによる制御はトラブルが多いため、無線伝送方式とPCによるネットワーク制御を行い、また音波発射装置の音源ソースを改良した。この結果、レーダーデータ処理装置のある観測室からすべての音波発射装置を同期制御することが可能になり、アレイ化が完成した。本年度の備品のほとんどはこのシステムの構築の構成要素となっている。 また、これまでのRASS観測データを詳細に解析して、音波面の反射特性を検討し、音波面追尾精度を向上するレイトレーシングおよび観測制御のソフトウエア(高速リアルタイム制御ソフトウエア)を開発した。なお、この過程でRASSデータの温度データの詳細解析から大気安定度を今までに無い高分解能に求め、レーダーエコー強度は、温度や湿度の構造により主に決定されており、エコー強度からもとめた乱流エネルギー消散率は正しく乱流構造を捉えていないという事実を発見した。 さらに、ラジオゾンデとRASSの比較観測を行い、現在のRASSシステムの精度、高度範囲などを夏、冬の2回に亘って比較した。結果は現在解析中である。 以上のように、本研究課題は本年度も順調に進展させることができた。
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